ARMORED CORE FAN

アーマード・コアファン

ARMORED CORE REVOLUTION MEMORIES > MEMORIES:3 The angel : without forgetting me.

人は誰だって仲間を助けたくなるものだ・・・

喩え・・・それが既に手遅れであっても・・・


―――


俺はストラグルという組織に仲間の救出を依頼された・・・。
『強化人間』という言葉を知ったのは、その依頼を受けてからだ・・・。

『レイヴン聞こえるか』
ストラグルのオペレータからの通信だ。
「ああ、通信状態は良好だ」

『潜入した同士が施設の防衛システムにウィルスを流すことに成功した』
通信を聞きながら俺は研究施設の内部へ侵入した。
『心置きなく暴れてくれ』
「了解した・・・」
通信が途切れた。



「早速一匹来やがった・・・」
通路を進むとビショップが一機こちらに向かってきた。
「流石に取り巻きのガードメカは居ないようだな・・・好都合」
そう言うと俺はビショップに近づく。

「まず一機・・・」
そう言うと月光でビショップを叩き落した。

「どうやら、ガードメカは機能停止稼動出来るのは有人機らしいな・・・」
俺は更に奥に進んだ。

通路のゲートを開けると突然天井の砲台からレーザーの一斉射撃を浴びた。
「ち・・・砲台にウィルスは効いていないようだな・・・」
俺は敵の砲台を一台、一台スナイパーライフルで狙撃した。
「く・・・どうやらコントロールは二種類あるようだな・・」
だが俺は構っている暇など無かった。

データにあった通気口を壊し、シャフトを降下すると情報通り扉が見つかった。
「この通路の先にある部屋ターゲットが・・・」
俺はゲートを壊し、向こう側に出た。

道中のMTを倒し、俺は先にあった厳重そうな扉の前に立った。
「この中か・・・」
俺は扉を開けた。

扉の中は通路とは違い広く、何本もの柱が建ち、他の部屋とは違った印象を与えていた。
そして、部屋の奥に一体のムラクモ製AC・・・。
「ターゲットを確認・・・これより接触する」
そういうと俺はシュツルムファングをそのACに近づけた。

『誰だ・・・誰・・・俺を・・・とめ・・・』
そのACはそう言うと俺に攻撃を加えてきた。
「!!」
そう、この感じはあの時のワイルドキャットと同じだった・・・。
『これは・・・既に遅かったか・・・』
オペレータから通信が入る。
「く・・・これがアンタ等の言っていた強化人間かッ!!」
『そうだ・・・レイヴン、あの機体を撃破してくれ』

俺には理解できなかった。
「どうして・・・!!」
『残念だが・・・彼はもう・・・』
「・・・判った・・・」
俺は戦闘体制に入った。

敵はムラクモの汎用AC『陽炎』を改造した特注機だった。
外見は赤く塗装されているだけしか違わないが、その機動性、防御力、攻撃力は通常のそれとは一線を解していた。
「防御力に関しては簡易型の不知火とでも言うのか・・・馬鹿げた性能だ・・・」

『破壊・・・はや・・・』
急かすかのように陽炎の『中身』が言う。

「く・・・急かすな・・・!!」
スナイパーライフルの残弾数は残り4発、流石に撃破出来そうになかった。
「ミサイルもこの状態じゃ使えないか・・・」

『止めて・・・は・・・く・・・』

「あ゛〜急かすなって言っただろうッ!!」
頭をかきながら槍投げな気持ちになったが、俺は何も考えつかなかった。

俺はアイツを助けたかった・・・?

馬鹿な・・・目の前にいる奴は敵だ・・・

そう言い聞かせながら俺はどうにかして月光を当てた。

『グ・・・ァァ・・・』

奴はワイルドキャットと同じ悲鳴を上げた・・・。

「開放してやるさ・・・助けられないなら・・・」
人として葬ってやると・・・心のどこかで思っていた。

泣いていた・・・?

俺はあの時・・・


俺は陽炎に取り付き、零距離からスナイパーライフルを全弾続けて撃った。
『ぐ・・・』
奴は悲痛の叫びを上げる

「まだ・・・!」
更に月光で斬りつける。
火花が散り、奴は上半身と下半身に別れる。
『あ・・・り・・・が・・・』
陽炎はその後爆発、その礼を最後まで聞くことは無かった・・・。


俺は奴を倒した後、施設を脱出し、クライアントの元に向かった。
「・・・レイヴン済まない・・・」
クライアントは泣いていた・・・。
「・・・構わない・・・俺は依頼をこなしただけだ・・・」
俺もどこか心の中で泣いていた・・・。

「それにこの際湿っぽい話は無しにしよう・・・」
「ああ、そうだな・・・」
そう言うと俺は報酬を受け取り別れを告げた。


―――


紅茶を入れながら、レイフォードは語った。

「それが、俺が強化人間に関わった二回目の任務だった・・・」

「・・・悲しい事ね・・・同じ組織の人間で戦わなければならないなんて・・・」

スミカは下を向いて言った。

「だが・・・その気持ちを俺は間近で知ることになった・・・」

彼の悲しみはここからが本番だった・・・。


―――


「ムラクモからの依頼か・・・」
俺は端末に入った依頼をを見る。
『わが社から脱走した専属レイヴンの抹殺を依頼したい』
血生臭い話だった・・・逃げた身内を殺せと・・・。

『我々も手を尽くしたが、未だにそのレイヴンを抹殺出来ないでいる』
未だに・・・そのレイヴンはかなりの手馴れらしい。

俺は面白くなって・・・
「・・・その依頼・・・引き受けた」
今思えばその依頼は引き受けなければよかった・・・。


ヘヴンズロック・・・あの時壊滅させた補給所に『あの人』が居た・・・。
「・・・!!」
そのACには見覚えがあった・・・。
赤く塗装された中量二脚型のAC・・・その右腕にはエネルギースナイパーライフル・・・左腕にはロングレンジブレード・・・。
そして頭部は「EYE」・・・
「ヘレナ・・・姉さん?!」

『誰・・・私の・・・名を・・・』

「!!」
そのしゃべり方、そしてこの感じは・・・
「強化・・・人間・・・姉さん・・・まさか!!」
俺は信じたくなかった・・・あのヘレナ姉さんが強化人間になったなんて・・・。
『私を・・・解放・・・し・・・』
そう言いながら姉さんは銃を向けた。
「姉さん!!」
俺は只逃げるしかなかった。
姉さんと戦いたくない、あの優しかった姉さんと・・・。
「姉さん、俺だ、レイフォードだッ!!」
俺は必死に呼びかけた。
しかし姉さんは何も言わない、答えなかった。
『私を・・・』
「そうか・・・そうかよ・・・畜生ぉぉ!!」
俺は自棄になった・・・。

銃を撃つ姉さんのAC・・・。
しかし俺は反撃する事すら出来なかった・・・。
「俺は・・・」
俺は涙を流した。
どうして姉さんと戦わなくちゃならない、どうして殺し合わなくちゃならない。

そんな時だった。
『・・・・レイ・・・フォ・・・』
姉さんが答えた。
「姉さん!!」
『レイ・・・ゴメンね・・・』
銃を向けながら姉さんは続けた。
「・・・」
『体が・・・言うこと聞かない・・・』
「そんな、じゃぁ、どうやって姉さんを助ければいいんだッ!!」
攻撃を避けながら俺は叫んだ。
『私を・・・殺し・・・』
「!!」
出来なかった・・・たった一人の肉親を殺す事なんて・・・俺には出来なかった・・・。

「・・・そんな・・・そんな事できな・・・うぁ!!」
油断して弾に当り、シュツルムファングの左腕が吹き飛んだ。
「く・・・月光が・・・」
『早く・・・・もう限界が・・・』
姉さんの決意は本物だった・・・。
「解った・・・」
俺も姉さんの頼みを断る事なんて出来ない・・・。
馬鹿な弟だよ・・・。
シュツルムを姉さんのACに近づかせ、コアに銃を突きつけた。
無論、姉さんもこちらの動きに合わせ、銃を突きつけた。
「さようなら・・・姉さん・・・」
『レイ・・・フォード・・・』
そう言うと俺は姉さんと同時にトリガーを引いた。


閃光


『レイフォード・・・貴方はこれから一人で生きなさい・・・』
それが姉さんの最後の言葉だった・・・。
―――

「・・・結局俺は生き残った・・・大きな代償を払って・・・」

テーブルに肘をつき、悲しみに浸るレイフォード。

「レイフォード・・・」

スミカは同情するかのような目でレイフォードを見る。

「ヘレナ姉さん・・・いつも一緒だった・・・」

レイフォードはそのまま下を向き、泣き出した。

「・・・それなのに・・・畜生・・・」

彼はただ、泣く事しか出来なかった。

 

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