ARMORED CORE FAN

アーマード・コアファン

ARMORED CORE REVOLUTION MEMORIES > MEMORIES7 Without sincerely erasing me

人をモノとしてしか扱わない連中・・・俺はそいつ等が憎かった・・・

でも俺は・・・何故かそいつ等の作ったやつ等にも憎しみを向けていた・・・

それは筋違いだったのだろうか・・・


―――


俺はガルシティでシルヴィの買い物に付き合わされて、散々だった。

「え〜っと、どれにしようかな・・・」
洋服、化粧品、その他色々・・・一体何でこんなに買い込むのだろうか・・・。
俺は不思議でならなかった。

「ねぇレイフォード、どっちが似合うと思う?」
(こっちに聞かれても俺にファッションなど判るものか)
俺は心底そう思ったよ。

(まったく、何だってこうなったんだか・・・)
それは俺が前の任務に失敗したから・・・。



そして俺達は昼食を取るためにレストランにやって来た。

「何頼む?」
彼女はそう言うと俺の前に座った。
「・・・とりあえずミルクティだな・・・それと、サンドイッチ」
俺はそれだけ頼んだ・・・
「ふ〜ん、意外と小食ねぇ・・・」
それが俺の普通の昼食だったのだが・・・。
「じゃあ私は・・・ナポリタンにサラダに・・・あとコーヒーとピザね」
(よく食う女だ・・・)
俺はつくづくそう思ったよ。

「何もそんなに頼まなくていいだろうに・・・」
俺はシルヴィにそう言った。
「あら、ピザは二人で食べる分よ」
彼女はそう返してきた。



数十分後
「・・・食いすぎた・・・」
俺は腹をさすりながら勘定を支払って店を出た。
「以外と小食なんだ、レイフォードって」
(毎回毎回、痛いところを突く女だ)
俺はそう思いながらシルヴィの意見に返答を返した。
「毎日同じ量の食事を取っていると、流石にそれ以上は限界になるんだよな・・・」

(何でだろう、シルヴィの前だと何でも話したくなったのは・・・俺はどうしてこの女と話していると心が安らぐのだろう・・・)
でも俺はどこか不安だった。
何時か、俺の復讐の事も話してしまうのではないか・・・そう思えて仕方がなかった。
できれば、話したくは無い・・・彼女を殺してしまうことになるかもしれなかったから・・・。


「・・・」
そして俺は何も言わなくなった。
「どうしたの?」
シルヴィが心配そうにこちらを見た。
「いや、何でもない・・・」
俺はそう言って平然を装った。
「本当に大丈夫なの?」
しかし彼女は俺の言うことも聞いていないかのようにさらに詰め寄ってきた。

「・・・これ以上かまうなッ!!」
俺は彼女を振り払った。
「・・・!! ごめん・・・」
そう言うと彼女はその場から立ち去っていった。

「・・・しまった!」
しかし遅かった、俺は彼女を見失ってしまった。

「あんな事言うんじゃなかった・・・」
俺は何も言わなかった事に後悔した・・・。



夕方・・・とは言っても、上に映っているのは人工の夕焼け空だが・・・。
俺はシルヴィを探し回った。
表通りや裏通りはくまなくさがした・・・しかし彼女はどこにも居なかった。
「どこに行ったんだ・・・シルヴィ・・・」
俺は探しているうちにどこか知らない場所に居た・・・。
「教会・・・?」
俺の前に建っていたその建物は今や寂れた宗教関係の教会だった・・・。
「まだこんな宗教の産物が残っていたなんて・・・」


『The angel without forgetting me …』


教会の中から歌が聞こえる・・・
その歌声は聞き覚えのある声がだった。


『Without sincerely erasing me…』


『The crime is expiated …. 』


「シルヴィ・・・?」
俺は教会の中に入った。
そして彼女はそこにいた。
「遅かったね」

「・・・さっきはすまなかった・・・」
俺は彼女に近寄り、謝った。
「・・・いいよ、気にしてないから・・・」

彼女はそっとこちらを向いた。
「レイフォード、今まであなたの事を色々と聞いたけど、私、自分の事喋ってなかったね」

そしてシルヴィは立ち上がって話し始めた。
「私ね、幼いころ、企業間の抗争に巻き込まれて両親を失ったの」
彼女は俺と似ていた・・・。
「そしてね・・・まだできて間もないここで育ったの・・・この教会、昔は孤児院もやってたんだ」
彼女の顔は今までのように笑っていなかった。
笑顔に満たされていない彼女の顔はどこか寂しげだった。

更に話を続けるシルヴィ。
「そして・・・ここを出て、ここに恩返しの為に働いた、でも数年前、私はテロにあって大怪我をした・・・」
そう言うと彼女は一回下を向いてまた話し始めた。

「・・・私が次に目を覚ましたのは・・・手術用のベッドの上だった」
彼女は何かを躊躇うかのように下を向いてはまた話し出した。
「でも、目覚めたときは体中にコードを接続させられていた・・・」

彼女の言葉に俺はある存在を思い浮かべた。
「強化・・・人間・・・?!」
俺はその言葉を口にした。
「そうよ・・・私は、機関の実験体・・・機関の人は私を『人』として見ようとはしなかった・・・」

俺は黙って聞いているしかなかった。
「でも・・・私はこの教会の為に働きたかった・・・だから、せめて私のできる事をしたかった・・・」

「・・・俺は・・・」
俺は口を開いた・・・。
「俺は強化人間を憎んでいた・・・」

「憎んでいた?」
シルヴィは俺の言葉を鸚鵡返しのように返した。
「・・・俺には姉がいた・・・たった一人の肉親だった・・・」
俺は自分の過去の話をした・・・。
「でも・・・俺は姉さんを殺さなくちゃならなかった・・・開放してやらなくちゃならなかった・・・強化人間にされて、苦しんでいた姉さんを・・・」

「レイフォード、私も・・・憎いの?」
椅子に座り、シルヴィは俺に問う。
「昔は強化人間が憎かった・・・けど今はそうは思わない・・・本当に憎いのは・・・」
「強化人間を作り出す技術者達?」
俺の言葉にシルヴィは割り込んで言った。
「・・・そうだ・・・」
俺はその言葉に肯定した。

「・・・・そう、私とあなた・・・どこか似ているね・・・」
彼女はそう言うと椅子から立ち上がった。
「境遇とかか?」
俺は『似ている』に思い当たる節を探して、口に出した。
「そう・・・かな・・・そうだと思う・・・」

「ねえ、レイフォード、約束して・・・」
シルヴィは再び俺の顔を見つめる。
「・・・何だ?」
俺もその視線を受け止める。
「私がもし、兵器として戦場に出されるような事があったら、私を殺して・・・」
俺には想像もつかない事だった・・・。
しかし彼女は続けた。
「そして、亡骸は地上の空がよく見える高台に埋めてほしい・・・」
どうして、そんな事を言うのか・・・俺には判らなかった・・・。

「依頼・・・として受け取っていいんだな?」
俺はなぜそんな事を言ったのだろうか・・・。
「ええ、じゃあ報酬は前払いで・・・」
そう言うと彼女は顔を近づけてきた。
「え・・・」
俺は何がおきたのか一瞬判らなかった。
しかしすぐに何が起こったのかわかった。

彼女と俺は口付けを交わしていた。

「これが、報酬よ」
彼女は俺から離れるとそう言う。

俺は顔を赤くしながらこう言った。
「な・・・なんだ、そんな報酬あるものかよ!」

「・・・・・そうよね・・・変だよね・・・ゴメン」
彼女は笑いながらゆっくりと教会から出て行った。


機関の施設に戻った俺たちはそのまま、いつも通りに別れた・・・。
彼女は最後に「さっきの事、内密にね」と言って部屋に帰っていった。
明日も・・・きっとまた会える・・・そう思っていた。


―――


「・・・・楽しい思い出は、悲しい思い出に押しつぶされてしまうモノなのだろうか・・・」

レイフォードは話を止めて、そう言い出した。

「難しい事をいうのね、あなたは」

「・・・ふ、俺は詩人にでもなったつもりなのかね・・・」


彼は頭を抱えてその再び話を続けた。

 

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