ARMORED CORE REVOLUTION
MEMORIES > REVOLUTION 4:It is shouldering his future as for the
cross.
彼の復讐は果たされるのだろうか・・・。
そして彼にとって、それは幸福と言えるのだろうか・・・。
答えを出す事の出来ない問・・・。
しかし答えは自ずと出るであろう。
―――
「あれが・・・ファンタズマ・・・アレの為にシルヴィや姉さんは・・・!!」
アーセナルに搭載された全ブースターを全開にしてプロトタイプファンタズマに接近するレイフォード。
機体バランスが狂おうが、そんなもの初めから無いかの如く駆け抜けた。
『くはははははは!無駄だ!いくら貴様等が束になって掛かろうとも、ファンタズマは止められん!!』
声高らかに叫ぶ研究者。
彼は狂っているかのように笑っていた。
レイフォードは迷わずに引き金を引いた。
エネルギーキャノンの閃光がファンタズマに向かって進む。
直撃。
その瞬間、爆煙と粉雪が飛び散る。
しかしファンタズマは健在・・・。
それどころか、受けた攻撃を倍にするかの如くプラズマキャノンを撃ってきた。
更にもう一機のファンタズマはアーセナルの背後に近寄り、プラズマキャノンを撃つ。
プラズマの挟撃がアーセナルファングを襲う。
レイフォードは同時に多方からの攻撃に対処できず、その光の弾丸を喰らう。
訓練されたかのような計算尽くされた連携行動・・・。
完璧なまでに性能を追求された機体・・・そしてそれは、躊躇いも無く引き金を引く・・・。
これほどまでに強力かつ、恐ろしい兵器は居ないであろう。
更に攻撃を加えられ、アーセナルの追加装甲・・・マテリアルの一部が飛び散る。
『追加装甲一部破損、損壊率25%』
早期決着が必要だった。
レイフォードは怒りに我を忘れ、いつもの冷静さを失ってしまっていた。
「ちぃ・・・なら・・・これでどうだッ!!」
アーセナルファングの肩のハッチを開き、バックウェポンユニットも開放する。
レイフォードは二機のファンタズマにミサイルの雨を降らせるが、あまり目立った損壊は見受けられなかった。
ならばとブレードで斬りかかる。
『無駄だ、ファンタズマにはそんなもの無意味だ!!』
技術者はより一層不気味に笑う。
「駄目・・・あんな戦い方してたら、何時までたっても倒せない・・・!」
スミカはレイフォードの戦い方を見て、そう言った。
その時だった。
ファンタズマのクローがアーセナルを捕らえた。
「ぐ!」
レイフォードは身動きの取れないにも関わらず、抜け出そうともがく。
それどころか、そのまま握りつぶそうとまでしてくるではないか。
「離せ!離せぇッ!!」
そして、プラズマキャノンが充填される。
鈍く光る砲身。
(ここで俺は終わるのか・・・?)
過去の出来事が走馬灯の如く駆巡る。
(シルヴィ・・・姉さん・・・ゴメン・・・)
彼には最早もがく気力すら無くなっていた。
警告音が狭いコックピット内に鳴り響く。
その時、レイフォードが首から下げていたモノが落ちた。
(シルヴィの・・・十字架・・・)
―――
「レイフォード、これ・・・」
教会を出た俺に、シルヴィはある物を手渡した。
「ん・・・十字架?」
それは、小さい十字架だった。
簡素なデザインながら、綺麗に磨き上げられたそれは、彼女が大事にしている品という証拠でもあった。
「私が死んでも・・・あなたを守るように、祈ったの・・・」
「・・・大事な・・・物なんだろ?」
俺はそれを受け取ると、シルヴィの顔を見た。
「ええ、でも私が持っていてもしょうがないし、あなたが持ってて」
そして彼女は顔を赤くしながらながら、そっと俺の胸に抱き付いた。
「え・・・」
俺は口付けされた時と同じ位顔を赤らめた。
「死なないで、レイフォード・・・」
俺は一瞬、シルヴィにヘレナ姉さんの面影を見た。
「・・・ああ、死なないさ・・・」
俺は、彼女を優しく抱いた。
「・・・だから、大丈夫だ・・・」
そして更に顔を赤らめてこう言った。
「・・・お前も、何も心配する必要は無いよ・・・」
「・・・うん」
彼女は静かに頷いた。
そして、日が沈み、夜が訪れた・・・。
―――
何だ・・・この記憶・・・
シルヴィ・・・?
忘れかけてた?
俺が?
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ありがとう、思い出させてくれたんだな・・・
―――
脳裏に蘇った“それ”は彼が半ば忘れていた記憶だった。
「どうして・・・こんな事を忘れかけていたんだ・・・」
警告音が鳴り響く中、レイフォードはアーセナルの肩ハッチを開いた。
「俺は・・・あの時約束した・・・」
そして手元にあるコントロールスティックの近くにあった赤いスイッチを叩く。
「死なないとッ!!」
肩に搭載されていたミサイルがコンテナごとそのまま射出される。
零距離から放たれたそれはファンタズマのプラズマキャノンに当り、爆発する。
ギエェェェェェッ!!
悲鳴にも似た音を上げるファンタズマ。
その拍子にクローに入る力が緩まり、レイフォードは開放される。
プラズマキャノンは完全に使用不可能な状態になっている。
「俺は・・・」
レイフォードは更にファンタズマの上に飛び乗り、ブレードで装甲に穴を開ける。
更にそこから左腕を突っ込み、中のコードを引きずり出す。
そしてファンタズマから伸びたコードをランチャーに装備されたトーチで思い切り切断する。
このトーチは本来敵のブレード攻撃を弾く程度にしか使えないが、こういった例外的な扱い方も存在する。
更にランチャーを穴に突っ込み、スラッグガンを発射する。
それと同時に内部から凄まじいまでの炎が噴き出し、ファンタズマはただの鉄屑と化した。
そしてもう一機。
レイフォードは既に被弾限界に達しているマテリアルを捨てる。
『アーセナルマテリアル、パージします』
パージと同時にアーセナルの“中身”が飛び出す。
「うおぉぉぉぉッ!!」
アーセナルファングとは打って変わって細いボディ。
そして、横に突き出したかのような細長い肩。
角張ったパーツの多いアーセナルとは打って変わって流線型のパーツが目に付く。
それは第二の牙・・・ファングツヴァイ・・・。
「まさか・・・人間の搭乗を想定していないツヴァイを乗りこなしている?!」
スミカは驚きを隠せないでいた。
本来この機体は、AIの使用を前提に作られており、ファングツヴァイはそれにコックピットブロックを足しただけのモノだからだ。
「これが・・・ナノマシンの力・・・」
レイフォードはファンタズマの下部に潜り、その底部にランチャーを突き付けた。
「たいてい、こういう兵器っていうのは底部の作りが弱いんだ・・・そこを2種類の武器でいっぺんにぶち抜かれてみろ・・・」
そう言って引き金を引いた。
「すぐ楽になるぜ・・・」
轟音と同時に装甲に大きな穴が開く。
しかしレイフォードは撃つのを止めなかった。
撃つ。
さらに撃つ。
まだ撃つ。
これで最後かと思われた時、ついにエネルギーキャノンの閃光がファンタズマを貫く。
そして雪原一帯に爆炎が広がった。
その炎と煙の中心には、レイフォードのファングツヴァイが立っていた。
―――
「・・・馬鹿な・・・私のファンタズマが・・・」
技術者は呆然と立ちすくみながら、まるでこの世の終わりかの如く、それを見つめていた。
『お前達の計画とやらもこれでお終いだ・・・』
そんな中、ゆっくりと近寄ってくるファングツヴァイ。
「ひ・・・!く・・・来るな・・・!来るなぁッ!!」
その場から逃げようにも、腰に力が入らない。
見るからに無様なその様は、もはや同情すら出来ない・・・。
「た・・・助けてくれぇッ!!」
ついには命乞いまでする。
そんな言葉を尻目に、レイフォードは施設に歩み寄り、ランチャーを向けた。
『終わりだ・・・何もかも』
そして彼の視界は炎と煙に包まれた。
―――
「あんなデータさえ手に入れなければ・・・でも、これで終わったのね・・・」
スミカは崩壊した施設を眺めながら、そう呟いた。
「・・・もう、あんな研究はされる事が無いと祈りたい・・・もう二度と・・・」
レイフォードは何かを成し遂げた達成感と、何かを失った喪失感で心が満たされていた。
「で、これからどうするんだ?」
炎上する施設を背に、レイフォードはスミカに問う。
「もう、決まっているわ」
スミカはレイフォードにこう返した。
「これからは放浪の旅に出るわ」
そう言って、スミカは愛機のコックピットに座る。
「なら、俺と同じか・・・」
レイフォードも同じくコックピットに座った。
「次に合う時は敵同士にならない事を祈るよ・・・」
レイフォードはスミカにそう言いった。
「ええ、次も格安でお願いね」
スミカもレイフォードにそう言った。
―――
このレイフォード・スティーヴンスと名乗るレイヴンによって、機関は二度目の壊滅を迎えることになった。
狂った計画は、初めから阻止される定めだったのかも知れない・・・。
これにより、ファンタズマ及びシステム中枢の生体ユニットは消失。
計画は失敗となった・・・。
もうこの計画も二度と行われることは無いだろう。
そして、ここに認定する、彼こそ4人目の“イレギュラー”であると。
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