ホーム > 小説ギャラリー > 死神と天使第一章-漆黒の中の光 第九話-
ガレージにつき、辺りを見渡すがそこにフリアの姿はない。探しながら奥に入っていくと
「ねえー!コイツのコード何!?」
振り向くとワイルドファングのコクピットから頭だけ出した状態で大声を上げている。
「降りろ。子供のおもちゃじゃない。」
少しドスをきかせた声で言ったつもりだったが
「そんなん分かってるよ〜!私だって一応レイヴンなんだからね!」
すると首からチェーンに繋いであるタグを高く上げ、俺の方に見せてきた。
「レイヴン・・・?お前がか?」
おそらく普通の人間であれば聞くであろう質問だった。コイツがレイヴンはありえない。
「本当だよー!もう2年目なんだからねー!それに一応ランカーなんだから!」
俺の言動が不満のようで、また頬を膨らませている。俺は作業用階段を使いコクピットの傍まで行くと、フリアのタグを確認した。確かにそこには
アーク所属 フリア=シャンフル 登録期間 2年 アリーナランク
E-47 と刻まれている。
「同じ2年目でも私はランカーなんだからね!ランカー!あなたはランク外でしょ!」
凄く誇らしげにフリアは言う。確かにレイヴン暦は2年目であるが、ACに乗っている期間であれば10年は超えている。それに訓練も受けている。とてもじゃないがコイツより下ということはないだろう。
「・・・それで何でコードが必要なんだ?」
話を戻してみるが
「このACに私が乗るわ。どうせあなたはあっちに乗っているんでしょ?それにこのままじゃ私も仕事できないし。」
少し困った表情をしているが、おそらく心の中ではそんなことを微塵も思っていないだろう。
「・・・できればやめてもらいたいが。」
「何でよ!?」
承諾してくれると思っていたのかビックリした様子で聞き返してくる。
「この機体は確かに俺のだが、元は親父の機体だ。できれば他人に触れてもらいたくはない。」
「でも今はあなたのなんでしょ?ならあなたがいいって言えばいいんじゃないの?」
俺はやめてもらいということを言いたいのだが、どうも伝わらない。図々しい上に鈍感ときたものだ。しかしコイツの性格は1日で分かった。それ程分かりやすい。こういう風になると何を言っても無駄だ。しまいにはACを自爆してしまいそうな勢いだ。どうもこういう性格の女は苦手の部類だ。ドンドン勝手に進んでいってしまいそうで嫌だ。基本的に他人と合わせるのは苦手だ。
「・・・k.i.l.l.0.2.9.5.3.6だ。」
「えーと・・・kill029536・・・?それにしてもこの“kill”ってなんか縁起悪くない?」
「・・・俺の勝手だ。それにそれは“キル”じゃなく“カイル”と読む。」
「つまり自分の名前とかけてるってこと?それにしてもなんか縁起悪いよ。」
「・・・」
「というわけでこれは私の機体ってことでアークに申請するから。いいわよね?もちろんこの縁起悪いコードも変えさせていただくわよ。」
「・・・」
勝手にコクピット内で作業を進めているフリアであるが、ふと動きが止まった。そして
「そういえば私の端末がないんだよね〜。どうしよっかな〜?」
と俺の方にわざとらしく振ってくる。俺は合わせるように彼女から目をそらした。流石にこの提案に乗ることはできなかった。今コイツのために端末を買うとまた10万近い金が飛んでいくことになる。今の状態でそれは無理であった。
「ふー」
わざとらしく小さなため息を1つすると
「・・・俺の端末を下に下ろす。それで共有にする。・・・これでいいだろ。」
「えー!私の端末買ってくれないの?お金持ってるんでしょ?」
「・・・欲しいのであればお前が買え。金ぐらいあるだろ。」
「確かに貯金はあるけど・・・でも・・・しょうがないないなあ〜。」
金があると言っておいて人に買わせようとするのかコイツは。貯金もあると言っているのに何故わざわざ俺の家に居候なんて始めたんだ。
「・・・お前のACは?」
「ん?前の機体ってこと?ああ・・・多分あの人達に持っていかれちゃったと思うよ。」
「・・・何故乗らなかった?」
「だってお父さんが腕利きのレイヴンを雇ったから大丈夫だって言ってたし、私も乗っているけどお父さんと共有で使ってたんだもん。それに気付いたらなんか暗い部屋の中だったし。」
「・・・」
・・・腕利きか。それで失敗しているのだから合わせる顔がない。
「・・・というわけで!これからアークに行って申請!アーンド私の端末のお買い物!」
「・・・」
どうもこちらの動きを探るように事を進めようとする。中々頭を使っているようだ。それとも天然でこうなのか・・・とりあえずレイヴンとしての適性はあるようだ。
「じゃあ決まったら早く行こう!ね!ね?」
端末から機体の申請もできるが、最低携帯端末は確かに買わなくてはいかない。これがなければ金を払えないどころか仕事ができないかもしれない。
「・・・行くぞ。」
俺は階段から降りてバニシングドライブに乗り込もうとするが
「ちょっと〜私にこれを操縦しろって言うの?2機も使うって効率悪いよ。ならこれ一機で行こうよ。」
機体の申請のためワイルドファングは必要だが、確かに効率が悪い。ACのコクピットは勿論一人乗り用だ。2人なんて試したことはないが可能なのだろうか。
バニシングドライブへの階段を降りるとそのままワイルドファングのコクピットに昇る。フリアが階段に出てきたので俺が操縦しろということなのだろう。そのままシートに腰を下ろす。コイツに乗るのは正直久しぶりだ。おそらく2年は乗っていない。だが定期整備には出しているので特に落ち度があるわけでもない。そのまま電源を入れる。するとジェネレーター・ラジエーターと正常に動いてるようで静かな音しかしない。
「よいしょ!うわ〜確かにこりゃ狭い。」
後ろからフリアが無理矢理入ってくる。とはいえシートの後ろにはすぐにハッチがあるのでフリアもシートに座ってくる。丁度バイクの2人乗りみたいな状態だ。俺は少し前気味に座るがあまり変わりはなく背中からフリアの温かい感覚が伝わってくる。
「ちょっと〜背中を胸に擦りつけないでよ!」
フリアは嫌がっているがどうしようもない。俺も好きでやっているわけではない。
「・・・行くぞ。」
どんなにもがいてみても変わりはないし、フリアから言い始めたのだから仕方ない。
コクピットハッチを閉めると今度は出撃用ハッチを開放する。この機体はバニシングドライブと違い機動戦闘を前提としていない。どちらかというと防御型でバランスが取られた機体だ。親父の性格が出ているといってもいい。肩部にはマルチミサイルと携帯型チェインガン。基本装備でマシンガンにシールドというものだ。EXにもご丁寧に追加装甲が付いてるほどだ。その影響か俺のバニシングドライブにも付いている。ピットの上に置いてあるマシンガン(WR04M-PIXIE2)を取るとそのままハッチから外に出る。そのまま自動にハッチは閉じる。俺はそのままレイヴンズアーク本社ビルに向かった。
ワイルドファング
頭部
: H09-SPIDER
コア : CR-C89E
腕部 : A07-LEMUR
脚部 : LH05-COUGAR
ブースタ :
CR-B83TP
ジェネレータ : G02-MAGNOLIA
ラジエータ : R02-HAZEL2
FCS : MIROKU
インサイド
: BIKUNI
エクステンション : E03S-TURBOT
右肩武器 : CR-WB69M
左肩武器 :
CR-WB72CGL
右腕武器 : WR04M-PIXIE2
左腕武器 : CR-WL88S2
右格納 : NONE
左格納 :
NONE
O01-ANIMO
CR-O69ES
CR-O71EC
CR-O79L+
O03-CODON
CR-O86R+
KANGI
ASM
CODE : &Lzg0062w01ME00sa00k02DE0ga29p0FiGs0qk2m#
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