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アーマード・コアファン

ホーム > 小説ギャラリー > 死神と天使第二章-過去のしがらみ 第二話-

「ねえ・・・さっきの男のことなんだけど。」
狭いコクピットの中で俺の方に顔だけ近づけてくる。
「一体誰なの?なんか隊長とか呼んでるしD-6になったって言ったら・・・。」
どうやらフリアもその言葉の意味が分かったらしく、その後は言葉を詰まらせてしまう。
「・・・俺がまだガキだった頃の話だ。」
「え?」
俺が答えてきたことに驚いたのか唐突に言われ驚いたのか分からなかったが、確かに驚いた。
別に同情をしてもらいたくて話したわけでもないし、何か感想が貰いたかったわけでもない。
ただ何故かフリアには話しておくべきだと思った。ただそれだけだ。

俺が13のとき通っていた教育施設が戦闘により壊滅的被害を被った。
あの壊滅状況で生きていたことが奇跡に近いが俺は確かに生きていた。
俺はその後、半ば無理矢理に施設を卒業した後クレストの軍に入った。
そのときは人材募集に躍起になっていたため簡単な面接試験だけで入ることができた。
入ってからの2年間は歩兵部隊として訓練を受けていた。時々MTの操作訓練がある程度でACになど触ることすらできなかった。
しかしその2年間に俺はシュミレータールームにて一人黙々と自主訓練をした。
そのときの内容が今の俺の動きに基礎になっているほどそのときはとても充実していた。
しかしある日、転属命令が出た。俺はAC軍第21部隊に配属された。
それは4人小隊が2つという部隊であった。第21部隊は全部隊の中でも一番下に当たり、主に捨て駒に使われることが多かった。
今回の人事異動も先月にこの部隊が一機のACにより壊滅したためである。
そのACは不明であるが素人といえ4機のACを同時に相手したのだ。おそらく相当な実力の持ち主であろう。
俺が21部隊に配属されたしばらくは基礎的な操縦訓練を行った。
その後も高度な戦闘訓練などをしてきたつもりであったが、21部隊ということで教官などがあまりやる気がなく、
あまり充実した訓練を受けることはできなかった。
俺が21部隊に配属されてから1年近くが経過したある日、俺達21部隊に命令が出された。
「今回の任務はポイント07,192にある基地の一定期間の護衛だ。」
作戦士官からの説明がある。ポイント07,192―別名“死の基地”。
この基地はミラージュとの領域ギリギリに建てられており、クレスト本部基地より一番離れた場所にある。
そのため戦闘となるとこのポイントは特に激戦が行われる。ミラージュもそのことを承知しているためこの基地には常に多くの軍力を費やしてくる。
そのため配備される部隊は一度も戻ってこないという、まさにいわく付きのポイントである。
今回21部隊が配備されるということはおそらく今回の戦闘でのこのポイントは捨てたということである。
つまり俺達にここで“死ね”ということなのだろう。冗談じゃない。俺はまだこんなところで死ぬつもりなど毛頭ない。

俺達は軍から支給された、ろくな装備もしていないACに乗り込んだ。
基地に向かう間でのヘリの中では他の兵士達が顔を伏せて絶望とした顔をしていた。
コイツらも俺と同様に今回の異動により急にAC乗りになったやつばかりだ。
基地の上空に差し掛かる。基地には192mm砲台が2台。対空機関銃が6門といった、あまりに弱すぎる軍力しかなかった。
ヘリが基地につきAC固定用のロックを外すと、ACは基地に静かに降ろされた。
今回配備された21部隊は全員で8名。α、βチームの2つの小隊からなる。
βチームが基地より1000離れた場所に4方向に配備される。そしてαチームが基地上に残り、直接防衛するというものであった。
作戦開始時刻は明朝0600。
それまでは各自万全の状態での待機となっていた。他の兵士は既に諦めたという表情をしていたが、21部隊隊長だけは違っていた。
といっても今回21部隊隊長というのは俺のことだ。
素人集団なので誰が隊長であろうと変りないということと、歩兵部隊時にそれなりの成績を残していた俺が隊長に選ばれたわけだ。
俺は死ぬかもしれない、しかし死ぬわけにはいかないと自分に何度も言い聞かせては邪念を捨てた。
俺がここで死ぬことは許されない。絶対に生きて、生き抜かなくてはいかない。
そう思っているうちに俺は、少し寒いガレージの中で一人眠りについていた・・・。

明朝5時。部隊の面々と顔をあわせる。皆、眠れなかった様子で目が赤くなっている。
「遂に今日0600より作戦開始だ。言っておくが俺達は死に来たんじゃない。ここを防衛するために来たんだ。
初めから死ぬとは思うな。お前だってまだ死にたくはないだろ。」
そう言うと俺は一人の青年を指差した。彼はファルイ2等兵。歳はおそらく俺と同じくらいで、まだ少し幼さが残るといった感じで少し涙目であった。
「・・・はい。」
目を伏せたまま聞き取れるか取れないぐらいの小さい声で返答した。すると
「まだ童貞も捨ててないからなー!」
と横の男がその青年に絡んでくる。男はルイバル一等兵。
ルイバルがファルイの頭をグリグリとげんこつで押すと、他の皆はかすかに微笑んだ表情をした。俺も軽く笑ったが
「というわけだ。俺もまだ死ぬつもりはないからお前らもそのつもりで行けよ。いいな!」
「はい!」
と今度は皆がいい返事をし、綺麗に敬礼をしてくる。

―時刻0600。作戦開始である。
『メインシステム、戦闘モードへ移行します。』
感情のこもっていないただの機械の声がする。既にチームは配備されており後は待つだけだ。
しかし作戦開始から6時間以上たった1223、未だに敵機と思われる反応はまったくない。
どういうことなのか分からないがこのまま作戦が終了すればいいと思った。
そして遂に2000。一度も戦闘することなく作戦終了となった。
作戦終了後の部隊の皆の表情ときたら、あまりに嬉しいのか泣き出すものさえいた。
しかしこれで作戦がすべて終わったわけではない。
任務は“一定期間の護衛”である。つまり今日から始まりというわけである。おそらく今後はこういうわけにはいかないのだろうと覚悟していた。
しかし日にちが2日、3日と進むがその間に敵機との交戦はまったくなかった。
そしてついに24日目の夜、一つの通信が入った。
『任務ご苦労である。明日をもって全作戦を終了とする。最後までしっかり頼む。』
ときたのだ。つまり明日が終われば今回の作戦は成功ということである。
そのことを教えると隊の皆は大声を出して喜んだ。まさに狂喜乱舞といったようだ。
明日で作戦が終わる。このまま何事もなければいいのだが。と何度も願いながら、宿舎にて眠りについた。

明朝5時。部隊の面々とまた会う。初日とは違ったとても嬉しそうな顔がそこには並んでいた。
「遂に今日0600より2000の警護にて作戦終了となる。最後まで気を抜くなよ。」
とまた一段と嬉しそうなファルイ2等兵の肩を叩く。
「はい!」
今までよりも一番いい返事をした。
「いいよなあ、お前は〜。無事に童貞も捨てられたしな〜。」
とまたルイバル。
「え〜マジかよ。誰だよお相手は〜!?」
「あの整備の綺麗なねーちゃんだよ。まったく可愛い顔して大胆だなあお前も。」
「俺が告ったら先客がいるって言われたけど、くそう〜お前か!」
「うらやましいぞこの野郎!」
と既にファルイは大勢にタコ殴り状態である。ファルイは痛そうではあったが、それ以上に嬉しそうな顔をしていた。
「では今日も作戦開始時刻は0600だ。各自万全の状態で待機。分かったな!?」
「はい!」
と皆揃って綺麗な敬礼をした。

0600―作戦開始。他の皆も既に手馴れた様子で配置についている。
『メインシステム、戦闘モードへ移行します。』
このCOMの声も何度も聞いていると、不思議と愛着が出てくる。
作戦開始から10時間近くが過ぎた。おそらく皆暇で、各自で何をしているのか分からなかった。
しかし、突如としてその沈黙を破るかのように通信が入った。
『ミラージュ製と思われる爆撃機を確認!数は・・・き、9です!』
「!9機もか!」
レーダーで確認することはできないが、遙か遠く雲ひとつない空には大きな黒い塊があった。


クレスト第21部隊量産型
頭部 : CR-H72S3
コア : CR-C75U2
腕部 : CR-A71S2
脚部 : CR-LH69S
ブースタ : CR-B72T
ジェネレータ : CR-G78
ラジエータ : CR-R76
FCS : CR-F69
インサイド : NONE
エクステンション : NONE
右肩武器 : CR-WB69M
左肩武器 : CR-WB69RA
右腕武器 : CR-WR73R2
左腕武器 : CR-WL69LB
右格納 : NONE
左格納 : NONE

CR-O69ES
CR-O69SS
CR-O75LA

ASM CODE : &L850032w00wE0040008a022w8a0M00KMg40cw01#

 

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