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アーマード・コアファン

ホーム > 小説ギャラリー > 死神と天使第二章-過去のしがらみ 第五話-

ぼやけていた世界が徐々に鮮明を取り戻す。しばらくして、それが白い天井だと分かった。
俺は体を起こそうとするが全身に激痛が走り、指を動かすことすらできない。
「気付いたか。」
ふと声がした方向に向こうとするが、首も動かない。仕方なく目だけを向ける。
「今回の任務はご苦労だった。結果として基地に防衛に成功した。
他の隊員は真に残念であったが、君は実によく頑張った。しばらくは休んでいてくれたまえ。」
それだけ言うと、その人物は外へ出て行ってしまった。
まだ記憶がハッキリしていないのか、まったく今の人物の顔を思い出すことができない。
しばらく一人でボーっとしていると戸をノックする音が聞こえ、ゆっくりと戸が開く音がした。
「あの・・・大丈夫ですか?」
また少しだけ目をそちらに向けると、一人の女性が立っている。また名前が思い出せない。
俺は軽くあごを動かすと、その女性は安心した様子で
「カイル=フィンバー軍曹。今後のことについて報告します。」
と敬礼をする。軍曹・・・?2階級特進か・・・どうも俺は死人扱いだったようだ。
「軍曹には2週間の有給休暇が与えられています。
その後部隊の転属命令があると思いますので、それまでは宿舎に待機していてください。
えっと・・・何か質問はありますか?」
俺はまだ名前の思い出せない彼女の目をずっと見ていた。すると
「あ、すみません。自己紹介を忘れてしまいました。
私はクリスティ=ライズ三等兵。本日より軍曹の専属オペレーターとして配属されました。
以後よろしくお願いします。」
とまた敬礼をする。名前を思い出せないのではなく、初対面だったから名前を知らなかったのか。
改めて彼女を見てみると、肩丈より長い綺麗な金色の髪に澄んだ青い瞳。
彼女の背には真っ白な光が輝いており、まさに天使のように見えた。
「何か・・・?」
俺がずっと彼女を見ていたせいか、すこし焦った様子で聞いてくる。俺は慌てて視線を背けると、
「いや・・・あれから何日経った?」
とアゴが痛むが、聞かずにはいられなかった。
「あれと言いますと・・・この前の任務のことですね。えっと・・・」
リサが手に持っていたファイルの中から慌てて資料を取り出す。そして
「ええっと・・・作戦終了時刻からは・・・243時間。軍曹が発見・搬入されてからは239時間が経っています。」
と顔には満面の達成感といった感じだ。
「・・・新人か?」
「え・・・はい。え?私ですか?はい。7日前に新規採用されました。えっと・・・」
と、とてもあたふたしている。こんなんで大丈夫なのだろうか。
「・・・分かった。もういい。」
「・・・はい。では失礼します・・・。」
と今度はとてもしょぼくれた表情で部屋から出ていった。彼女が出ていくと部屋の中はとても静かになった。
首を満足に動かすことができないのでここがどこの部屋なのかは分からなかったが、ここには俺一人しかいないようだ。
243時間・・・丸10日は経ってしまったのか。
まだ頭の中ははっきりしないがあの時のことだけは鮮明に覚えている。
俺の目の前で味方が撃破されていく様だけは・・・。


また夢を見た。俺のチームが黒い影に飲み込まれていく夢。
しかし俺はまったく動くことができずに、ただその様を見ているだけだ。
目の前に赤い場面が広がっていく。それはまさに血の赤だ。
そこで夢が途絶える。目の前にはまた白い天井。いつの間にか寝ていたようだ。
「大丈夫ですか?酷くうなされていた様子でしたが・・・。」
声の主はクリス。クリスはいつものように白い天井を背に光輝いて見えた。
ここ10日の間、クリスは事あるごとに俺の部屋に来るようになっていた。
「・・・大丈夫だ。いつもすまん。」
と軽く頭を下げる。
「いいんですよ!私が勝手にやっていることですし、かえって迷惑じゃないかと・・・。」
「そんなことはない。随分と世話になっている。本当に感謝している。」
とまた頭を下げる。
「そんなに頭を下げないでください。私の方が困ってしまいますから・・・。」
と頬を赤らめ、目を俺からそむける。
リサはオペレーターであるが、俺専属ということなので俺が復帰するまでは仕事がないらしい。
それでろくに動くこともできなかった俺を気遣い、救急班の支援を受けながら手取り足取り介護をしてくれている。
介護といってみても俺の怪我は全身の骨にヒビが入ったというだけのこと。
痛みこそあったが、今では一般人と変わりない生活はできるようになった。
医師からは驚異的な回復能力だと豪語されたほどだ。
しかしまだ隊に復帰はできないとも言われた。
そのため今は何もできないので退屈であろうと思っていたが、そうではなかった。
それは毎日クリスが俺の部屋を訪ねてはどこかへ行こうと誘ってくれるからだ。
彼女も俺が復帰するまでは有給休暇扱いらしい。それで俺は十分に体の動かせた4日という日々を楽しむことができた。
少し気がかりだったのがこの10日間21部隊の作戦の後日談や作戦内容、
しまいには作戦結果までもがデータから消えていたことだ。
俺が接触した旧世代兵器“グレイクラウド”の消息もつかめていないのだと聞く。
何より気になるのが、あの時作戦に参加したオペレーターが数日後に除隊したということだ・・・。


明朝。
俺の元に一通の手紙が届いた。といっても軍内で使われているものなので、すぐに転属命令だと分かった。
クリスが専属オペレーターとして配属されたのであれば、おそらく今回は10部隊以内に入れるということだ。
しかし何故21部隊からいきなりこんなにも上がるのだろうか・・・。
不思議に思いつつ手紙の中身を確認する。
『転属命令 カイル=フィンバー 軍曹 AC軍第7部隊に転属を命ずる。』
たったのこれだけだ。それ以外には特に何も書いてない。
当然といえば当然なのだが、俺が7部隊まで上がるというのはどういうことなのだろうか。
多少疑問に思ったが手早く制服に着替えると、俺は第7倉庫へと向かった。
中には既に数名の人間が作業をしている。
「今回配属となりました、カイル=フィンバー軍曹であります。お願いします。」
と決まり文句を言った後に敬礼をする。しかし誰もこちらに振り向きもせずに作業を続けている。
「フィンバー軍曹だな。俺は教官兼隊長のダイルだ。よろしくな。」
少し白髪交じりのショートカットの男が、俺のほうに近寄ってきた。
「あいつらは今ピリピリしてるからあまり気にするな。」
と俺の耳元でささやくようにして言った。見渡してみると、皆凄い目つきでACを整備している。
「スタッフは3人つけるが基本的には自分の機体は自分で整備しろ。
戦場で信じられるのは己のだけだ。自分の身は自分で守れ。」
と軽く俺の胸をこずく。俺は軽く腹筋に力を入れた。条件反射というものだ。
「30分後に訓練が始まる。それまでに機体をチェックしておけ。」
「はい。」
敬礼し答えると、そのままダイルはどこかへ去っていってしまった。
俺はそのまま自分のACであろう機体へ近づく。理由は誰もそこにいないからだ。
機体を見上げると、迷彩色に塗られた2脚型ACが大きく佇んでいる。
装備はアサルトライフルにブレード、肩にはキャノンとミサイルだ。
俺以外の機体は肩キャノンがレーダーであったり、垂直下降ミサイルであったりする。
おそらく装備はある程度の自由があるのであろう。
コクピットに入ると一枚の紙が張ってあった。
「CR-H84E2,CR-C89E,CR-72F・・・」
どうやらこの機体のアセン表らしい。
この表から分かるのはこの機体は迎撃用の機体であり、防御の方を重視しているようだ。
リニアキャノンが積んであるということからも想像できる。
俺には空中での高度な姿勢制御の技術もないので、地上で構えて撃つしかない。
つまり機体をとどめるということだ。
すべてがクレスト製であるので性能的に少し不安が残るが、前よりはマシであろう。
それに残りは自分でカバーしろということであろう。
「おい!新入り!始めるぞ!」
コクピットから下を見下ろすと一人の男がこっちに叫んでいる。歳は25〜30といったところか。
俺は急いで下に降りると、他の隊員の最後の列に並んだ。するとダイルが入ってくる。
「これから実弾を使用した模擬戦闘を行ってもらう。
2人1組で合計4チームをつくり、訓練用施設にて演習を行う。
ではチーム分けをする。」
と一人一人が呼ばれ、どんどんペアにされていく。そして俺が最後に残る。
「フィンバー軍曹。お前は俺とだ。新入りだからな。俺がしごいてやる。」
どうやら俺はダイル隊長と組むことになったようだ。

10分後。
俺は訓練用施設にいた。周りはビルなどの障害物だらけで、まさに迎撃用の訓練と言える。
正直俺は迎撃戦闘はあまり得意ではない。しかしそんなことを言ってられるわけもない。
初めは第1チームと第4チーム。俺は第1チームだ。
隊長の「開始」の合図とともに戦闘が始まった。


クレスト第7部隊量産型
頭部 : CR-H84E2
コア : CR-C89E
腕部 : CR-A72F
脚部 : CR-LH80S2
ブースタ : CR-B81
ジェネレータ : CR-G84P
ラジエータ : CR-R92
FCS : NONE
インサイド : NONE
エクステンション : CR-E81AM
右肩武器 : CR-WB91LGL
左肩武器 : CR-WB72M2
右腕武器 : CR-WR76RA
左腕武器 : CR-WL79LB2
右格納 : NONE
左格納 : NONE

CR-O69ES
CR-O69SS
CR-O71EC
CR-O75LA
CR-O79L+
CR-O86R+
CR-O94ESS

ASM CODE : &Li50062w01gE00oa00ga04E0wa00dl0MMc0eM2I#

 

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