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アーマード・コアファン

ホーム > 小説ギャラリー > 死神と天使第三章-堕ちゆく世界 第一話-

輸送機からゆっくりと機体が出される。時間は13時17分。
説明は輸送機内で聞いたので特にはない。迎撃任務なのに機動機体。
しかも武器はリニアライフルとブレードのみという何とも任務無視したコンセプトだ。
その点ワイルドファングはマシンガン、ミサイルと迎撃に適している。
フリア自身もそんなに素人ということもないので今回の任務は大丈夫だろう。
『まあ今回は任務成功間違いないね。』
とフリアは勝手に一人で自信満々だ。まあ俺もそう思いたいのだが。
『レイヴン、そろそろ作戦開始時刻だ。警戒を怠らないでくれ。』
「了解。」
『りょーかーい!』
新しく装備した装備を試したいので戦闘が早く行いというのが本心だ。相手にもよるがおそらくACという可能性は低いだろう。
だが細心の注意が必要だ。レーダーレンジは2100。
基地などのレーダーには劣るものの現時点でのAC用レーダーとしては最上級。
相手より先に敵をとらえらることはそれだけでも十分こちらが有利に立てる。
「・・・さて・・・どう出るか。」
『ん?何か言った?』
「・・・いや。」
『そう。ん?通信?何だろ。』
とフリアに通信が入りこちら側の回線を切ってしまった。まあ別にどうでもいいのだが。

『レイヴン、時刻が1330をまわりました。作戦開始です。』
「・・・ああ」
と俺は頭上にある赤いスイッチを押した。
『システム 戦闘モードに移行します』
いつも通りの機械の合成音声。俺は機体をゆっくりと移動をさせ始めた。
「・・・作戦開始だ。」
『分かってるよー、ミリさんから聞いたよ。』
「・・・ミリ?」
『うん。なんか私の復帰が急すぎてアイファンと連絡が取れたはいいけどまだ仕事に来てないんだってさ。
だから今回はミリさんが私の分もしてくれるってさ。』
「・・・」
『そういえば言い忘れてました。すみません。でも二人ぐらいなら同時にできますので気にしないで結構です。』
とオペレーター。別に俺は気にしてないのだが。
『レイヴン。予定時刻より早いが目標の航空機が1分後に到着する予定だ。』
時刻はまだ1342。予定よりかなり早いが何かあったのか・・・。
「・・・了解。」
『りょーかい。』
『こちらでも確認しました。通信画面にカウントダウンを表示します。』
とカウントダウンが始まる。
55・・・50・・・45・・・40・・・35・・・30・・・
その時上空に黒いものが見える。
『目標を確認しました・・・敵機も確認しました。どうやら高高度で逃げてきたようです。』
レーダーの端に緑の点が一つ。そして青い点が複数・・・だがその数はどんどん増えてくる。
『管制塔!これ以上高度を下げると攻撃される。だが燃料があまり残っていない!』
『了解した。レイヴン、聞いての通りだ。敵目標を迅速に撃破してくれ。』
「・・・了解。」
『りょーかい。』
『航空機燃料残量から可能滞空時間をカウントします。最低でも180秒前には全滅させてください。』
とカウントが変り、残り1297秒と出る。
「行くぞ・・・。」
『はいは〜い。』
と前方方向にブースターを踏み込んだ。距離はどんどん詰まり残り1000を切る。
『敵機コード解析結果、敵機はネイルズ製スーパーシミターと一致しました。』
ネイルズか。ここでやっと戦力を投入してきたか。だが何故性能的にも劣るスーパーシミターなのだ。
スーパーシミターは無人機なのでそれほど戦力になるとも思えん。コスト効率はいいかもしれないが・・・
『ミサイル発射しまーす。』
と後方の方でミサイルが発射される。こちらの方が速いので、フリア機は結構後ろをついてきていた。
発射された4発のミサイルはそのまま一機のスーパーシミターに向かっていく。
敵も右方向に移動し始めるがこのままでは当たる。所詮プログラムだけのAIではろくにミサイルを避けることもできない。
ミサイルがそのまま飛んでいき、当たると思ったその時
「何!?」
『えーーー!避けた!?』
敵は当たる寸前で左方向に旋回し、見事にミサイルをかわしてみせた。
(偶然とは思えん。人間ならば可能かもしれないがアレは・・・。)
敵機はレーダーで確認できる限りで10機。敵機は高度をどんどん下げ、地面スレスレで持ち直すと超低空飛行を始め、こちらに向かってくる。
『何これー!どんな裏技使ってんのよー!』
「オペレーター!敵機は純正スーパーシミターなのか?」
『はい。機体コードはほぼ完全に一致しています。』
「・・・ほぼ完全?」
『はい。ほんの一部ですが相違があります。しかし3/200なので規定によりスーパーシミターと断定しました。』
(もしやネイルズの新技術か・・・ネイルズといえば・・・)
と複数の敵から小型チェインガンが発射される。機体を左右に振りながら敵機に近づいていく。
(0距離ならば避けられまい。)
そのうちの一機に目標を絞り、ブースターを思いっきり吹かす。
距離が詰まり50を切ったそのとき
「バシュ!」
敵機からプラズマライフルが発射された。機体を上方向に移動させプラズマ波を避け、敵機の上を取った。
「バスッ!」
MOONLIGHTから放たれた光は敵機を貫き爆発を起こす。
先ほどのプラズマライフル・・・タイミングは半秒ずれていたが正確な射撃であった。
(半秒のタイムラグ・・・もしや)
機体を360度反転させると残りの敵機を後ろから追いかけ始めた。フリア機は移動しながらマシンガンとショットガンを打ち分けている。
そこで敵機の行動をよく見てみる。
中距離でのマシンガンはほとんど避けているが、近距離でのショットガンは避け切れていない。
回避行動は行っているがやはりタイミングがずれている。
「やはりそうか・・・。」
『どーいうことよこれー!』
フリアはわけがわからないといった感じでパニックになっている。敵機は急上昇・急降下をし、巧みに攻撃を避けている。
「オペレーター、周辺の電波状況をスキャン。それと現在稼動中の衛星の発信記録を検索してくれ。」
『え?はい。了解しました。』
『どういうことなのか説明してよー!』
「・・・」
俺の読みが正しければおそらく敵機は・・・
『出ました。周辺の電波状況は9つの異なる電波が確認できます。
更に衛星についてですが、ネイルズ私有の衛星LH−04が今現在リアルタイムで発信を行っています。まさかこれは・・・』
「・・・タネ明かしだ。」
『意味が分からないんですけどー!』
フリアはまだ分かってないようで一人混乱したまま敵機と応戦している。と9機のうち5機がこちらにまっすぐ向かってきた。
リニアライフルを一発撃ってみる。すると約1秒後に回避行動をし、弾丸を避けた。
『憶測ですが、敵機は無人機で衛星電波の受信装置が内蔵されています。
それで離れたところから衛星を経由して遠隔操作をしているのだと思われます。そういうことですね、レイヴン。』
「・・・ああ。」
『えーと・・・じゃあアレは人間が乗ってるのと同じってこと!?』
『理論上ですがそうなります。しかし衛星を経由しているためタイムラグが生じると思われます。』
『えー!』
「・・・」
ネイルズの新技術・・・厄介なものを造ってくれたものだ。

 

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