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1458時 バレルド砂漠上空 高度1600m 作戦エリアから17kmの地点
レイザスはヴァイトセイバーの最終チェックを行っていた。膝まずく機体の脇にある整備モニターに、まずCGの機体像が現れ、次に各部の状態が表示される。
カラサワの調子は万全。背部のミサイルポッドとレーダーの異常もなく、左腕の月光にも特に問題はない。
『さてと……。そろそろ作戦エリアだな』
インカムにカンジから通信が入る。輸送機が高度を下げていくのが感覚で分かった。
『ところで、空挺降下にしなくていいのか?』
「いや、俺は別にいいんだけどな」
作戦エリアの上空から一気に飛び降りて急襲を仕掛けると同時に、ド派手な登場シーンを演出しても良いのだが、それをやると、最悪の場合、輸送機が撃墜される可能性がある。さすがにそれは避けたい。
『そうか。だが、そっちの方が絵的に格好いいんだけどな』
“こんな時に登場シーンを気にする暇があるかよ!”とツッコミを入れたい気分になりながらも、レイザスは機体に乗り込んだ。
メットをかぶってからイグニッションスイッチを押し込み、さらにいくつかのスイッチを弾く。
コクピットが次第に明るくなっていく。背後でジェネレーターとラジエーターの起動音が響き、機体各部にエネルギーが供給される。
外側では頭部メインカメラが目覚めの光を放った。正面の液晶モニターが起動する。
彼にとって、この時間が本当にたまらない。
ズンッ……
着陸の軽いショックの後、エンジン音が止んだ。
重いモーター音が響き、目の前のハッチが少しずつ開いていく。
『ハッチ開いたな? 行って来い!』
「よぉし……。戦闘システム、起動!」
レイザスはスロットルレバーを限界まで押し込んだ。
グォオオオォォォォォン……
背中のOBが展開し、激しく唸りを上げる。同時に、スラスター内にまばゆい閃光が収束していく。
そして――
「いっくぜえええええぇぇぇぇっ!!」
その叫びと共に、ヴァイトセイバーは一つの弾丸となり、目標地点へと向かっていった……。
1505時 バレルド砂漠
フェリィが依頼のメールを出してから、40分が経過した。だが、敵はそんな事には一切構わずに攻撃を仕掛けてくる。既に機体が危険な状態になりつつあった。
「くっ……こいつも弾切れか……。フェリィ、そっちはどうだ?」
ガイラードは最後の武器を投げ捨てながら聞いた。若干機動性に劣るヘルバウンドの損傷はかなり激しく、熾火色の装甲がかなり削られていた。
「だめですね……。ブレードぐらいですよ、普通に使えるのは」
フェリィもミサイルポッドを爆砕ボルトで強制排除した所だった。ブレードを振りかざし、一機のデイウォーカーを切り伏せる。
「そうか……。いつになったら来るんだ? 早い所来てくれないとこっちは保たないっていうのに……」
もはや反撃手段は無く、ただ敵の攻撃を回避する事しかできない。逆に、敵の攻撃はより激しさを増していく。
ついにヘルバウンドが地面に膝をついた。さらに、追い打ちをかけるようにミサイルが襲いかかる。
腰部に直撃し、大地に倒れ込むヘルバウンド。もうこれ以上は戦えまい。
残りのMTはフェリィに向かってきた。こちらの損傷は深く、しかも今の機体は乗り慣れないアセンブルときた。
『フェリ……済ま……』
ヘルバウンドから、ノイズと共に切れ切れの通信が聞こえてくる。どうやらガイラードは無事らしかった。しかし、ならばなおのこと、彼女1人でここから逃げるわけにはいかない。
かといって、残存する敵機をフェリィだけで倒せるわけがない。
「意外に上手くは……あ!」
諦めかけてそう言いかけた時だった。
レーダーが高速で接近する1つの機体を捉えた。戦闘機か。だが、光点は同高度を示す赤だ。それに、戦闘機なら単独とは考えにくい。
だとすれば、考えられる物など“あれ”しかない。
「このスピードは……まさか!?」
機体はモニターでも確認できた。直線と平面で構成されたエムロード系の無骨なシルエット。漆黒の重装ACが、今まさに、砂丘を飛び越えて突っ込んできた所だった。
『待たせたな!! さっさと片づけさせてもらうぜ!!』
スピーカーでそう言い放ち、着地するAC。巻き上がる砂塵の中、緑色のメインセンサーが輝度を増した。
しかし。
『ふざけるなよ!? だからどうしたって言うんだっ! えっ?!』
というMTパイロットの叫びと同時に、何十発という砲弾がヴァイトセイバーに向かって叩き込まれた。
爆炎に包まれるヴァイトセイバー。その姿を確認することなど、とても出来ない。
「そ、そんな……」
フェリィは言葉を失った。
1512時 バレルド砂漠
黒煙が晴れ渡った。そこにはACの姿などあるはずもなく、あるのはその残骸だけだ。
風が破片のいくつかを飛ばしていく。
それは余りにも過酷な光景だった。自分の依頼のために、1人のレイヴンを無駄死にさせてしまったのだから。
「っ……」
もう打つ手はない。
数機のMTがこちらを取り囲むように接近してくる。
『我々は諸君らに抵抗の手段がないことをすでに承知している。ここで無駄に血を流すこともあるまい。投降したまえ』
敵隊長機から通信が入る。
「そうはいかないのよ。私達には、やらなきゃならない事があるんだから……」
だが、フェリィは外部スピーカーで言い放った。
『しかし、その機体では何もできまい。むざむざと寿命を縮めて、何になると言うのだ?』
その言葉を聞いて、彼女はふっと軽い笑みを浮かべた。
「根本的に会話がかみ合ってないっぽいわね」
『何?』
「私達がここで死んだら、後でもっと大変なことが起きる。それだけは言っておくから」
『戯言はよしたまえ。そんなこけ脅しに我々が屈するとでも思っているのか?』
隊長の声が苛立ってきたのが分かった。あと少し。
「誰も脅しちゃいないわよ。ただ、こっちにはやらなきゃならない事がまだ残ってるって事! OK?」
直後、フェリィは一番近くにいたシャフターを斬り捨てた。
『貴様…っ!全機に指令。奴を撃破せよ!』
その命令を受けるまでもなく、近くの数機が攻撃態勢をとった。
「ACだろうと何だろうと、ブレードしかないんだろうが……。よし! 一気に――」
だが、そのパイロットの声に被さるかのように、どこからか通信が割り込んでくる。
『おぃおぃ、誰かさんの事を忘れてないか?』
「な、何っ!?」
彼がそう短く言うのと同時に、レーダーに光点が現れた。
その点は、“上”を示す蒼い点だった。
そして、彼が機体に上を向かせた頃には、その真上で、月が蒼い輝きを放っていた。
『ったく、これだからトーシロは困るんだよな』
言いざま、相手はその輝きをこちらに向けつつ、自由降下してきた。
「ばっ、馬鹿な!?」
突然の事態に全く対処できず、ヒラキにされて爆発するMTとそのパイロット。
最期の瞬間、彼はモニターで自分の命を奪った相手――ヴァイトセイバーを目に焼き付けていた。
『あの程度の攻撃で、俺がやられるわけないだろうがよ!』
そこには以前よりもスマートな姿の、漆黒に輝くACがあった。
その左肩には、“∞”をバックに羽ばたく鳥のシルエット――“∞
WINGS”が描かれている。
先程の残骸、それは一種の追加装甲で、被弾した際には機体を守るバリアーとなる物だった。さらに、一部にスモークやチャフといったサポート装備も内蔵している。
また、一種の擬装効果も先程証明された様に持ち合わせている。これは既存のパーツとはあえて全く異なる形状に設計されており、アーマーが破壊されるまではその機体構成を特定しきれないようにもなっていた。
その特性ゆえ、これをダミーアーマー(擬装装甲)とレイザスとカンジは呼んでいた。
『おい、あんたが依頼主か!? 遅れて悪い!』
「え? あなた無事だったの!?」
彼女も、あの攻撃を受けた機体がピンピンしていたとは思えなかった。
『当たり前だろ。このヴァイトセイバーが、あの程度の攻撃でやられるかよ』
「ヴァイトセイバー……。じゃ、じゃあ、あなたは……」
その一言は、半端な自己紹介よりも、遙かに雄弁だった。
『あぁ、レイザス=イェーガーだ。さぁて……あれだけ派手にやられたんだ。その落とし前は、しっかりとつけさせてもらうぜ!?』
その通信がフェリィに届くと同時に、ヴァイトセイバーは敵MTの攻撃を物ともせずに突っ込んでいく。
ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!
右手のカラサワから放たれた3つの光が、それぞれ別のMTを貫く。さらに肩部のミサイルポッドを開き、そこから4発の中型ミサイルを叩き込む!
「くそっ、いくらACでも限界はある! 回り込んで全周囲から仕掛けろ!」
隊長の指示が入ると同時に、他のMTがヴァイトセイバーの周囲に回り込み、機銃を放った。だが、レイザスは操縦桿を細かく操り、それらを軽々と――cm単位で回避していく。
「遅い遅い! そんな五流の攻撃に当たるかってんだよ!」
その動きは華麗と呼んでも過言ではなかった。さらに、そこにフェリィが襲いかかる。
「隙を見せたら墜ちるだけ!」
光の刃が3度煌めき、それと同じ数のMTは寸断される!!
「残り68機。だったら、こいつでどうだっ!」
操縦桿のホイールを操り、レイザスはカラサワを敵MTが集結している所に向けた。
フュィィィィィン……
その銃口が輝きだす。
『どうせカラサワだ! 一発なら耐えられる!』
「そいつはどうかな?!」
傍受したその言葉に言い返してやった後で、レイザスはトリガーを引いた。
ヴァシュイイイィィィィィン!!
「なっ!?」
それ以上は言わせずに、射線上のMTを全て撃墜する。射出されたエネルギーはグレネードとは比較にならない程の破壊力を持っていた。
このカラサワは通常タイプに大幅に手を加えた物で、高出力であるだけでなく、状況に応じて射出する弾を任意に変更できる様にカスタマイズしてあった。
その名を、KARASAWA/mlr。現在最強のレーザーライフルといっても過言ではない。
『くそっ……。何て威力だ。あんなのとまともに戦えってのかよ……』
レイザスはそんな通信を傍受し、同時に勝利を確信する。
――士気が下がった部隊なんざ、カモでしかないんだよ。
口の中で呟くと、彼はカラサワの発射形態をA(Assault)モードに変更した。
「おらおらおらおらぁっ!!」
その叫びと同じ勢いでMTは破壊されていく。Aモードには、通常のカラサワ並の威力と、それ以上の連射力があった。そんなものを食らえばただで済むわけがない。
「く、くそっ。こんな奴に勝てる訳ねえ!畜生……」
そのパイロットの目の前にヴァイトセイバーが着地した。当然、彼はパニックになる。
「どうする……? って、う、うわぁっ!! く、来るんじゃない!!」
彼は機銃を撃ち放した。弾は確かに当たっている。が、それらは全て跳弾して、明後日の方向に飛んでいってしまう。傷を付けもしない。
「く、来るな! 来るなぁぁぁあああっ!!」
彼にはヴァイトセイバーがその機体色と相まって、死神の様に見えていた。最後の抵抗を試みる。
が、“死神”はそれにも構わずに襲いかかった。
「そんな攻撃で……コイツが落とされるかっ!!」
レイザスは操縦桿を一気に押し倒し、トリガーを押し込んだ。閃光が迸る。蒼い刃が煌めき、MTは寸断された。
『来るなああああああああああああっ!!!』
その通信をレイザスは斬り付ける直前に傍受したが、特に気にも掛けなかった。
――いちいち気にしていたら、この業界、生きていけねぇよ
1526時 バレルド砂漠
レイザスが加勢してからわずか数分で、MTの数は大幅に減っていた。既に大半が撃破され、無惨な屍をさらしている。そして、今もMTはその数を減らしていた。
「いけぇえええっ!!」
レイザスの叫びと共に放たれた光条によってMTは塵と化す。
「生き延びたいのなら……無駄な抵抗はしないで!!」
フェリィの駆る即席ACが刃を振るう。敵の数はもう2機にまで減っていた。
『隊長! これ以上は無理です! 撤退しましょう!』
『馬鹿を言うな! 反抗勢力を野放しにはさせんっ!!』
『無茶ですよ!! せめて援軍の要請を!!』
『馬鹿者! このような失態をどう釈明しろというのだ!! 我々だけでどうにかするしかないのだ!!』
『しかし自分はこんな所で――』
部下のMTはそこまで言った所で、レイザスに撃ち落とされた。
「っし! 後1機!」
レイザスは最後に残った隊長機に向かって一気に突っ込んだ。
「でやぁぁぁっ!!」
その叫びと同時に抜刀するヴァイトセイバー。全てを薙ぎ払う、蒼い光が煌めき、剣の形を形成する。
『反抗勢力ごときがぁっ!!』
隊長もまたレイヴマスカーのブレードを起動した。
しかし、ふいにヴァイトセイバーのムーンライトが光を失う。それを見て、フェリィは戦慄を覚えた。
――いくらMTのブレードでも、直撃したら…!?
同時に隊長はこれを好機と見た。彼は自機を最大限に加速させて、懐に突っ込んだ。
『でぇぇぇぇぇぇぇえええいっ!!!!!!!!』
しかしレイザスは構わずに、そのままヴァイトセイバーを進めた。
二機が交叉した――。
『………!!?』
爆発は起きなかった。何事もなく、ヴァイトセイバーはその場に立っていた。
だがレイヴマスカーは、上下に断ち切られていた。本来なら存在したはずの、蒼い刃によって。
「何で……斬れてるの……?」
フェリィのその疑問は当然だった。
が、よく見ると左腕の辺りが僅かに霞み、揺らいでいるかのようにも見える。
再び蒼い刀身が姿を現す。普通に使った時は基部から現れるのに対して、こちらは刀身全体が具象化――浮かび上がってくる、そんな感じだ。
結論を言えば、光を失ったブレード、それはエネルギー供給がOFFになったのではなく、極限までエネルギー変換効率が上がった結果だった。
名を、N/MOONLIGHTと言う。それはまさに、新月の刃だった(新月はNew
Moon)。
1552時 バレルド砂漠 戦闘エリアから17kmの地点
依頼主は話があるということで、半壊したヘルバウンドを回収し、今はレイザスが乗ってきた輸送機のキャビンにいた。
「……ありがとう。後5分遅かったら、私達は殺られていたかもしれなかった。……そう言えば、まだ自己紹介が済んでなかったわね。私はフェリアード=ファーゼンバーグ。呼ぶときはフェリィでいいわ」
「あぁ、どーいたしまして」
取りあえず挨拶を交わす。
「……んで、話ってのは? て言うか、そもそも俺に直接依頼してきたんだ?」
向こうの話を聞くついでに、ここに来ることになった最大の理由にして、最大の疑問を尋ねるレイザス。
「あぁ、それは……私には姉さんがいるのよ」
「……はぃ?」
予想外の答えに目が点になる。
「状況が状況だったし、身内くらいしか頼れそうな所が無かった、そゆこと」
「……随分と無茶な理由だな」
取りあえず突っ込んでおく。ここまで常識の範囲外だと、逆に信憑性が高まってくる。とはいえ、まだ確証はない。
――外見が違いすぎるもんなぁ……。
金髪碧眼のセリアに対して、目の前の彼女の場合、髪は明るいブラウンだし、瞳もグラスグリーンで、仕事の違いもあるのだろうが、ぱっと見ではまず他人と思って当然なのだ。
「外見で人を判断しないでくれない? なんなら姉さんの身体的特徴とかを言ってみる?」
胡散臭げに見られるのが嫌なのか、そう切り出してくるフェリィ。そこまで言われれば、流石にレイザスも本物だと思わざるを得なかったが、一応聞いてみることにした。
「エクセリア=ファーゼンバーグ、地球暦198年5月27日生まれのA型。体重は今は知らないけど、身長は162cm。髪はゴールドで瞳はプルシアンブルーの典型的な金髪碧眼。で、常人が引くほどの超甘党。あとは……」
レイザスが知るはずもないセリアの過去などを蕩々と語り続けるフェリィに対して、彼は“いい、いい”とばかりに手を振り、別の話を振った。
「ところで、この質問は聞いたらまずいかも知れないが……何であんた達はあんな大軍のMTに攻撃を受けていたんだ?」
「それは、俺が話すことにしよう」
今まで黙っていたガイラードが、ようやく口を開いた。
「あんたは……確かあの中破した機体に乗っていた……」
「ガイラード=リヴェルスだ。何で俺達があの連中に攻撃を受けたかというと……」
という事から彼は話し始め、“ゲヴィッター”の事もレイザスに話した。
彼が話し終えた時、レイザスは何か考えているようだった。
「俺達はあの計画を阻止するために動こうとしている所だ。だが、今のままでは戦力が不足している。だから、君にも協力して欲しい。君もレイヴンという身だ。自分の敵は自分で倒さなくてはならないし、もし、あの機体が完成したとすれば、どんな“悲劇”が起こるかは想像がつくはずだ」
そう言いきって、彼はレイザスの答えを待った。そして、ややあって、レイザスは口を開いた。
「報酬はさっきのメールの額で良いのか?」
「決まったな」
笑みを浮かべ、ガイラードはレイザスとフェリィに手を差し出した。そして、彼の手に、互いの手を乗せる2人。
「じゃあ、とりあえず、俺のガレージに行こうか。あの機体をそのままには出来ないだろ?」
そこでカンジが輪に入ってきた。先ほど損傷した機体を一目見た彼は、“これならいける!!”とばかりに、ガッツポーズを取っていたりする。
「あなたは?」
怪訝そうな顔でたずねるフェリィ。
「俺はこいつの担当メカニックのカンジ=アラハシだ。あんたらの機体は、俺が責任を持って整備するから安心してくれ」
「本当ですか?! 済みません……!」
「いやまぁ、なんというのかな。ああいうボロボロの機体を見ると、『俺がどうにかしてやる!』っていう気になるタチでな。楽しみにしていてくれ」
といって、「ぐはははは!」と豪快に笑うカンジ。その言葉の意味するものに気づき、レイザスはあんぐりと口をあけた。
「カンジ……お前ってやつは……」
しかし、そんなレイザスには誰も気づかず、彼らを乗せた輸送機は離陸していった。
同じ頃、3機の輸送機がジオマトリクス社の研究施設に接近していた。識別コードはバレーナ社のものだ。しかし、迎撃機が出るわけでもなく、妙に平穏としている。
その管制塔に輸送機から着陸の要請と同時に暗号化されたデータが送信された。
「コード照会……。こちらサーヴィックス・コントロール。ゲイル1から3、着陸を許可する」
『こちらゲイル1。感謝する』
茶番だ。データの暗号を解除してから数秒でその許可は下りたのだから。
まるでもともとジオマトリクス社に所属していた機体であるかのように、バレーナのエンブレムを付けた輸送機は順次着陸シークェンスに入り、滑走路に舞い降りていった。
続く。
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