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その日、世界は『紅い雨』に包まれた…。
ナービスが発掘し、キサラギが稼働させた「旧世代の遺産」は『紅い雨』となって世界中の文明を破壊尽くしていった。
だが、それに立ち向かっていくもの達もいた。
ベイロードシティの屋上でたった一人でアーマード・コア(AC)と呼ばれる機動兵器に乗り、勝てる見込みのない戦いをしている青年もその一人だ。
「レイヴン!もうこれ以上は無理です!早く安全な場所へ!」
空から無数に降り注がれる『紅い雨』へ一心不乱にトリガーを引き続けるレイヴンと呼ばれた青年の耳にはオペレーターの声などもう届かなかった。
機体に装備されている武器の弾薬は遂にすべて使い果たし、呆然と立っている機体へ容赦なく『紅い雨』は降り注がれた…。
コクピットのモニターに映る無数の『紅い雨』を見ながら彼は、
「俺は……」
そう呟きながら『紅い雨』に包まれていった…。
12時間後、ベイロードシティ。
すでに、瓦礫の山となったベイロードシティに3機の輸送機が着陸した。
ハッチから出てきた作業用のマッスル・トレーサー(MT)が周りの瓦礫を撤去し始め、つい先ほどまで静寂に包まれていたベイロードシティは急に慌ただしくなった。
「こちら本部。『A』の発見はまだか?」
「いや、まだだ、こう瓦礫が多くては…。それに、この状況じゃ生きているかもどうかも分からないぞ」
「こちらB班。外壁の破片が道をふさいでいる。至急、爆薬と大型ドリル装備のMTをこちらによこしてくれ!」
「ダメだ!『彼』を巻き込む恐れがある。別のルートを捜してくれ!」
そして、
「こちらG班。旧ナービス本社ビル前において『A』の機体を発見。同時に『A』の回収に成功」
「『彼』の容態は?」
「微弱ながらも生命反応はある。だが、危険な状況だ、すぐに移送する必要がある」
「機体の戦闘データは?」
「あと5分ほどで採取完了する。完了次第、こちらに送る」
「了解。ご苦労だった。各班、作業をやめ、至急発見地点へ集合しろ。救護班は『彼』を3番機へ搬送させろ。急げ!」
「『彼』と機体の戦闘データの回収が終了しました」
「そうか、これでようやく…我々は賭けるしかないのだ『彼』に…」
夜明けの空へ、3機の輸送機が飛び去っていった。
ベイロードシティに、また静寂が戻った。
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