ARMORED CORE FAN

アーマード・コアファン

ホーム  > 小説ギャラリー > 「十字架の天使」 > 第二話「ANGEL」

夜空の上に静かに昇る月。その月の光に荒野は青白く照らされる。なにか幻想的な雰囲気をさらしているが、そこに静寂は無かった。

空間を縦横無尽に走る閃光。閃光が地にぶつかったかと思うと火球が生まれ、辺りを赤く染める。

バーン!

激しい音と同時に、一機のMTが宙に吹き飛ばされ、地面に転がり落ちる。その横からは、二度と動くことは無い仲間の亡骸を尻目にもう一機のMTが疾走していく。

「ハァ・・・ハァ・・・な、何なんだよアイツは?畜生!」

MTのパイロットの頭の中は恐怖で一杯になっていた。

それは、なんの前触れもなく襲来してきた敵。一瞬の内に7人の仲間を倒してしまった敵に対する恐怖であった。そして、その敵は今までにアライアンス、バーテックス関わらず、幾多の兵士を殺していった。あの「十字架の天使」であるから、更に恐怖は倍増する。

「こちら、第12MT小隊、ストーン軍曹。所属不明ACに襲撃されている!既に、第11小隊は全滅し、残るは俺だけだ!頼む、増援を・・・増援をおぉぉぉぉぉ・・・」

その直後、彼は、青い光に包まれ、MTは赤い炎に焼かれていった。

再び静寂が戻った荒野に一機の白いACが降り立った。

そのACは人間を連想させる中量2脚型で、目に当たるカメラアイは鋭く、青く発光していた。右手には高出力レーザーライフル「WH04HL-KRSW」。左腕には最強と名高レーザーブレード「WL-MOONLIGHT」を装備している。そして、左肩とエクステンションの追加装甲には「十字架を背負い、大剣を振りかざす天使」のエンブレムが描かれている。

ACは頭部を左右に動かし、辺りを見渡すと、一息つくかの様に、片膝をついた。同時にカメラアイの青い光も静かに消えた。

「ふう、何とか終わったな。こちら、ヴィラス。敵部隊の全滅を確認した」

まだ、10代後半と思われるパイロットの青年はオペレーターに通信を入れた。

[お疲れ。それにしても運が悪かったわね。任務の帰りに、アライアンスのMT部隊と鉢合わせだなんて、ま、あなたのことだから別に問題はなかったでしょ]

スピーカからは、こちらもまた、10代後半と思われる少女の声がした。

「そうでもないよ。向こうは、部隊の連携がきちんとしていたし、何度か挟み撃ちにあいそうになったからな。半年前とは全然違う」

そう言うと、ヴィラスは大きなあくびをした。

「でも、ほんと疲れたな。ルシーナ。今日はこれで終わり?」

[まだよ。ガレージに戻って、補給を受けたらすぐに、武装勢力の基地の強襲をしてもらうわ]

「嘘だろ・・・ほんと、うちの『組織』は人使いが荒いよな。でも、なんでこんなにも武装勢力への攻撃に躍起になっているんだ?相変わらず、俺の記憶に関する事だって全然分からないままだし・・・」

[『組織』の事にこれ以上口を挟むのは厳禁よ。それに、あなたは『フリー』のレイヴンということになっているんだから。その事を忘れないで]

緊張した口調で、ルシーナはそう言うと、またさっきの明るい口調に戻った。

[さあ、グダグダ言わず、早く戻ってきなさい!まだまだ頑張ってもらうわよ〜♪]

「疲れた〜、眠い〜、お腹がすいた〜(泣)」

ヴィラスはそんな言葉をループしながら、ACを再び起動させると、ブーストペダルを思いっきり踏み込んだ。

機体の背中に装備されているブースターの炎が小気味よく噴き出すと、ACは猛スピードでその場を後にした。

荒野には撃破されたMTの腕がまだ燻っている炎の中で天を仰ぐように月の光を浴びていた。

<-- BACK | 小説ギャラリー | NEXT -->

プリンタ用画面

Powered by XOOPS Cube 2.1© 2001-2008 XOOPS Cube Project
ARMORED CORE RANKING ゲーム完全攻略 ロボットサイトランキング
Copyright(C)1994-2008 FromSoftware<Japan>,Inc. All rights reserved.
XOOPS WebRing : BACK / NEXT / BACK 5 / NEXT 5 / RANDOMLIST ]
- xc-tokai