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Phase:12-黄昏色をした希望-
そこは、広い会議室のような場所。
長いテーブルを挟んだ向こう側に在る、時計が午後10時を示していた。
テーブルには、男性が三人、女性が二人、何か話し込んでいるようだ。
その男性の一人は、フェイズだった。
「・・・つまり、もう五つの区画は調べた、そしてキーコードを入手したと?」
フェイズが重たい口調で言う。
「オーバーフィードに侵入する為には、どうしてもキーコードが必要だった。幸いにも、ブラードのバイオハザードにより、警備は薄かった。」
もう1人の男が言った。
その男の発言に、別の男が干渉した。
「私に任せておけば、これほど時間は掛からなかっただろう・・・」
「あまり自分の力を過信するな、エヴァンジェ。1人でどうこうできる問題じゃない。」
エヴァンジェに、1人の女性が諭すような口調で言った。
その女性が続けた。
「まぁいい・・・・・アグラーヤ、ジノーヴィーの方から連絡は?」
「相当厄介な事になっている・・・・・とだけ連絡が来た。」
その女性は、アグラーヤと言う名の女性に聞いたものの、自分の期待していた情報が得られなかったのか、
テーブルの側に在った椅子に腰掛けると腕を組み俯いた。
「慌てる事は無い、ジナイーダ。まだ時間は在る。」
「あと、3時間でもか?・・・・無理だと私は思うがな、ジャック。」
ジナイーダはジャックに対し、反発的な口調で言う。
そこに唐突に、フェイズが言葉を発した為、皆は驚愕し、振り向いた。
「・・・どうのこうの言っているが、要はその「ヘルピニオス」とやらを倒せば良いだけだろ?
だったら倒しに行けば良い・・・・。」
フェイズはそう言ったが、エヴァンジェから非難の声が浴びせられた。
「・・・・お前は我々に「死ね」と言っているのか・・・?・・・あの化け物相手にどう戦えと?」
「フン、自称ドミナントさんが何弱気になっているんだ。ブラードをコントロールしているのはヘルピニオスだ。そいつを倒せば良いだけの話・・。」
フェイズは言い返した。
と、唐突にジナイーダからもフェイズに賛成の声が上がった。
「・・・確かに・・・今の状況、それしか方法は無いだろうな。」
続いてアグラーヤ
「今ジノーヴィーに、フェイズの案を如何するか聞いてみた・・。
それしか方法は無いと・・・・・ジノーヴィーは言っていた。」
さらに続きジャック
「そうだな・・・・・今の世界に秩序を齎す為にも重要な事だ。」
「よしっ!ACの修復、ロールアウトを早く済ませろ!!今夜出発だ!!」
ジャックは大声を出して言うと、会議室を出ていった。
ジャックに続き、ジナイーダ、アグラーヤ、そしてまだ不に落ちないという顔をしているエヴァンジェも出ていった。
数時間前、フェイズは研究者らしき男から全てを語られた。
ブラードが実験中、数匹ほど都市や下水管に逃げ出した事、それが繁殖を繰り返し、都市を襲撃するにまで至った事、
そして、その中に紛れていた、β-Typeのブラードが、変異、進化を繰り返し、「ヘルピニオス」という化け物になり、脳波コントロールで、全てのブラードを操作している事・・・・・・・。
そして、その「ヘルピニオス」が、パシフィクス・フィールドの中心部区画「オーバーフィード」に潜伏している事。
フェイズは正直信じられなかった。
それは、有り得ないと思うような事だったからという事の別に、
今まで、そうやって裏切られてきたから・・・・。
そんなフェイズを納得させた理由が二つ。
一つは自分の中に居た、ブラードの除去。
これでフェイズはもう「自分の中に寄生虫が居る」という恐怖に狩られる事は無い。
二つ目は、自分を連れて来いと命令した人物。
それが「ジャック・O」だったからだ。
最初は警戒していたフェイズであったが、彼の強い説得により、
共に戦う事になった。
そして、ミカエルは。
「ああ、・・・・・彼は・・・・・・・・・」
研究者は俯いたが、彼がどうなったのか、話をし、
それをフェイズは聞いていると、絶句した。
「あの化け物に飲み込まれた・・・・・?」
彼の話によると、彼は「ヘルピニオス」に襲われていたレイヴンを救出しようと試みたが、突如「ヘルピニオス」が変形し、
ミカエルをACごと飲み込んでしまったのだと言う。
そして彼は・・。
「君に渡してくれと頼まれた物がある・・・・。」
生前、ミカエルは「フェイズが目覚めたら、これを渡して欲しい」と
レイヴンの救出任務に行く際、その研究者に渡した物があるのだという。
しかし、そのままミカエルは帰っては来なかったが・・・。
研究者から、それらを受け取り、部屋に戻ると早速、調べてみた。
一つは、AC用のデータ・ディスク。
もう一つは・・・・・・・・
「これは・・・・・俺と同じ・・・・・・・」
それは、自分も持っている古い十字架のキーホルダー。
これは、自分に父が造ってくれた物で、同じ物は存在しない筈だ・・・・
フェイズはふと、十字架の裏に文字が書いてある事に気づいた。
[-最愛の息子 ミカエルへ-]
フェイズは「ある事」に気づき、自分の十字架の裏も調べてみた。
すると。
[-最愛の息子 インフェルスへ-]
どういう事だ・・・・・?・・・・
と、フェイズは、ミカエルの十字架の裏に紙が挟んであり、走り書きのような字で何か書いてある事に気づいた。
[最愛の兄弟、最愛の弟よ。私を許して欲しい。しかし、これだけは
分かって欲しい、私はいつでも、お前の事を愛していたのだと・・-ミハエル-]
短く、急いで書き殴られたような字。
しかし、フェイズには今まで見たどんな字よりも綺麗な字に見えた。
フェイズは泣いた。
声には出さなかったが、叫んでいた。
心の中で。
その叫びは、最早兄には届かない。
「兄さん」
そう呼びたかった。
けど、もう居ない。
人の手によって生み出された「邪悪」に飲み込まれた。
フェイズは決意した。
「邪悪」と戦い続ける事を・・・・・・・・・!!・・・
次回
phase:13-連環の末-
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