4シリーズの世界において、設定上存在する自律兵器(初出はfA)。
その誕生は国家解体戦争以前、人類が宇宙開発に手を伸ばしていた頃に遡る。
当時宇宙開発に進出した各企業は、他勢力に対して優位に立つための手段として、無差別攻撃をするように設定された自律兵器を投入する。この自律兵器がアサルト・セルである。
しかし宇宙開発競争が激化するにつれ、地球の衛星軌道上におけるアサルト・セルの数量は増加し、ついには企業にすら手の付けられない状況に陥ってしまう。
換言すれば、アサルト・セルによって人類は自ら、宇宙へ進出する道を完全に断ってしまった。
ORCA旅団のマクシミリアン・テルミドール曰く、これこそが企業の犯した罪であり、国家解体戦争もリンクス戦争も、パックス各社がそれを隠蔽するためのものであったという。
fAのORCAルートにおいてその存在が語られ、同ルートのエンディングにおいては、地上からのエーレンベルクの斉射によって掃討されることとなる。
逆に企業連ルートでは、その罪を裏付けるかのごとく、その存在が語られることは一切無い。
プレイヤーの中には、ACfAに蔓延する気だるさと絶望感の象徴にして、あらゆるシナリオの底に潜んでいる諸悪の根源と解釈する者もいる。
高度なコジマ技術を有していながらコジマ汚染が著しい地球に縛り付けられる理由、企業連を相手にORCA旅団が暗躍する理由、
リリアナやオールドキングがクレイドルを狙う理由といったものの根底にアサルト・セルと"企業の犯した罪"が絡んでいるとされるが、いささか不明瞭な点も多い。
ミッション“クレイドル21奪還”において実際にアサルト・セルからの砲撃を、“クレイドル03破壊”でアサルト・セル本体(円盤状の物と円筒形の物の2種類がある)とアサルト・セル同士の撃ち合いを見ることができる。
その砲撃は高度9500m付近から視認することができ、現代のジェット旅客機などの巡航高度が高度10000メートルを超えるのに対し、クレイドルが7000〜8000mという大型航空機としては半端な高度に縛られた理由が垣間見られる。
しかし“クレイドル03破壊”では一部のクレイドルが12000m付近を飛行しているがアサルトセルに砲撃されておらず、そもそもアサルトセル自体が数える程度しか存在していない。
衛星軌道上を埋め尽くしていたクレイドル21の試験飛行空域とは雲泥の差であり、アサルト・セルが同士討ちをしていたことも含め、本当にアサルト・セルが地球の衛星軌道上を隙間なく埋め尽くしていたのかは不明である。
少なくともORCA旅団はそう主張していたが、それが真実だったのか、それともORCA事変の扇動と正当化のための方便だったのかを確かめる術はない。
もっともORCA旅団の行動は、クレイドルという企業の資本に大打撃を与えながら、アサルト・セル排除後の宇宙開発と移住計画は企業に丸投げであり、その主張には粗がみられる。
また宇宙への移住を前提とした宇宙船の製造技術がなければクレイドルを落とす行為はただの自殺であり、長らく宇宙開発が休止していたあの世界にその技術があった確証はない*1。
そしてその答えはACVDに登場した『タワー』が巨大な宇宙船の成れの果てであること、その宇宙船としてはあまりにも歪な形状、結局打ち上げることができずに滅んだ旧時代の結末に見ることができるかもしれない。