アーマード・コアVおよびアーマード・コア ヴァーディクトデイ?を統合したグループ。
それまでの作品以上に荒廃した世界観と、企業の量産兵器から旧世代の発掘兵器へとその在り様を変えたAC、また、陸戦兵器らしい泥臭さを感じさせるメカデザインが特徴。
ゲームシステム的にはオンラインを重視しており、シリーズの中でも特に対人戦とその研究が盛んになった。
同シリーズからACをプレイするようになったユーザーは、ミグラントと呼ばれる。
ACVDにおいて*1、本シリーズの世界観が4シリーズの延長線上にあることが仄めかされている。
Vシリーズの前史と4シリーズのつながりを示唆するもの †
- 旧時代の無人兵器の動力源
旧時代に作られた無人兵器の動力源となる特殊な粒子は、高濃度であれば緑色の霧状物質として視認できるとされ、また環境への汚染が深刻であるなどコジマ粒子を思わせる設定がなされている。
EXUSIAやLiVが使用する粒子は赤色だが、おそらくは低濃度であるためだと思われ、汚染を気にしたというよりは、むしろコジマ資源も枯渇したことによるものと考えられる。
- 旧時代の歴史
Vシリーズの前史と言える旧時代において世界を破滅に追いやった戦争の記述には『無数の兵器による戦争』、『特別なパイロットたちが操る特別な機械が世界に汚れたものをまき散らした』、
『選ばれた戦士の時代が終わり、権力者たちは醜い巨大な武器を生み出した』、『世界は汚染され、卑怯者たちは空へと逃げた』など、
リンクスやネクスト、国家解体戦争とリンクス戦争、そしてアームズフォートが投入されたクレイドル体制下での企業間抗争とORCA旅団との戦いとコジマ汚染を示唆する単語が含まれていた。
- 本編未登場の施設や地域
資料集には本編には登場しなかった施設や地域の設定画が収録されており、その中には4シリーズに登場したスフィアやアルテリア施設、さらにはメガリスを思わせるものが存在している。
メガリスと思われる設定画には『死都採掘場』とタイトルがつけられ、人類の最盛期に作られた完全環境都市の成れの果てとされている。
- 枯渇した資源と旧時代の遺物の再利用
上記のメガリスと思われる施設はVシリーズでは解体・分解して資源として再利用されており、また施設内部から旧時代の遺物が見つかることもあり、まさに『採掘場』となっている。
スピリット級移動要塞は、完全に破壊されていた旧時代の巨大兵器の残骸に砲台を取り付けることで補修し、兵器として何とか稼働できる状態にしたものであるなど、スクラップの再利用の域となっている。
4シリーズにおいて資源は限られたものとなっていたが、Vシリーズでは完全に資源が枯渇したと思われ、旧時代では廃棄物扱いだったものに活用手段を見出すことで何とか文明を維持できているという世界観が伺えるようになっている。*2
一方で開発中にコンセプトが二転三転したことや、肝心な設定が資料集でしか語られていないため、設定上の不備と指摘されてしまう部分もあった。
- MTの不在
AC誕生に至る開発史として前身となるMTの存在は重要な要素であり、また荒廃した世界において作業用機械の存在が明示されていないことも問題視されたが、
すでにノーマルやネクストが存在している世界であるなら技術の応用で製造できるため前身となるMTは不要であり、全体的なサイズが縮小されたため、クレーン車などの通常の作業用機械がステージ上のオブジェクトとして存在するようになっている。
- ACの開発方針
サイズの大幅な縮小や4シリーズにはあった多彩な企業によるアセンブル傾向が見られなくなっていること、具体的には『EN防御の高い軽量二脚』や『実弾防御重視のタンクや重量二脚』などが存在しなくなったが、
これは資源の枯渇によって機体を縮小せざるを得ず、また高性能な装甲を作れなくなったことによるものとみられる。
旧時代に起こった終末戦争では、初期はKE武器、中期はCE武器、末期はTE武器という流れで主流となった武器が変化したため生産された時期によって機体の装甲が偏っており、
またTE防御型が重量二脚やタンクに集中しているのはTE武器に対する防御方法が『機体周囲への水の噴霧』であり、貯水タンクを搭載するために重量機になったことが資料集で語られている。*3
ちなみに、Vシリーズの後にPSACシリーズの世界観に繋がるのではないかという説もある。
死神部隊とナインボールの存在感が(色だけでなくやっていること等)似ていることや、"黒い鳥"を見出すために企業が新たに作り上げたプログラムこそレイヴンズネストであると考えた場合、一応は辻褄が合うこと。
果ては残されていた火星テラフォーミング計画と火星の旧技術の正体がかつてORCA旅団等が宇宙へ進出した名残ではないか。
"ファンタズマ・ビーイング"こそがあのファンタズマ計画の真相ではないかと考えても時代背景に矛盾が少ないことから、考え方次第では無理のない説ではある。
一方で、タワーの地下には廃棄された地下都市が存在すること(特にUNDER TOWER GF710は初代のガルシティに酷似している)や、
管理者となるべく作り出された巨大な知能が“答え”を見出せず世界が荒廃、その巨大な知能の成れの果てが観察者(主任とキャロル)であることなどから、
むしろ4シリーズの後に地下都市の開発に失敗し、PSACシリーズの世界に分岐し損ねたIFの世界がVシリーズなのではないかという説も立てられるようになっている。
裏を返せば、それだけVシリーズが過去作の要素のファンサービスの塊であるということである。