身体能力を人為的に向上させることによって操縦技術、ひいては総合的な戦闘能力を向上させた者を言う。
いわゆるサイボーグの一種であり、上位ランカーの多くは強化人間である。
登場するのはほとんどがACの操縦者(レイヴンか否かを問わず)であるが、初代作中では当然その他の分野での利用も言及されている。
プレイヤー間の俗称では、これに対して強化人間手術を受けていない人間を真人間と呼ぶ。

一部のゲーム中で主人公が50000C以上の借金を背負うと改造手術を受けることが出来る(というか強制的に受けさせられる)が、自らの意思で強さを求めて強化人間手術を志願する者もいる。

強化人間の扱いと設定、ゲーム中での性能は作品ごとに異なるため、以下にそれぞれ記述する。

PSACシリーズ

初代ACのみ、50000C以上の借金によって強制的に改造手術を受けさせられる。
手術後は自機、所有パーツなどを引き継いだ状態でゲームが最初から再開され、「強化人間○○○号」といった名前に強制変更される。(裏技を使用すれば名前は再変更可能)。
当初は赤字になってしまったプレイヤーを救済するための仕様だった。

強化レベルは三段階に分けられており、再度借金をして手術を重ねると機能が追加されていく。

  • Lv1:一回の手術を受ける。専用レーダー(グリッドタイプ、距離5120、ミサイル表示)が常備されるようになり、レーザーブレードから光波が発射可能になる。
  • Lv2:四回の手術を受ける。二脚逆関節キャノンを移動しながら発射可能になる。四脚タンクには影響しない。
  • Lv3:六回の手術を受ける。ブースト消費エネルギーがスペック表示の半分になる。 (当時の攻略本に記載されている「ジェネレーター容量2倍」は誤り)

PPMoAでは手術を受けられないため、強化人間を使用したい場合は初代で強化済みのデータを引き継ぐ必要がある。

強化人間に施される具体的な措置として、以下のものが挙げられる。(初代設定資料集の記述に基く)

  • 神経系光学繊維化(神経系を光ファイバーに置き換えることで反応速度を向上させる)
  • 知覚系直接伝達(肉体に入力コネクタを埋め込み、ACの操縦・制御系との直結を可能にするが、使いこなすには相当の努力が必要)
  • 肉体強化(心肺機能、骨格、筋肉組織の強化、人工血液の使用などによる対G特性の向上)

改造には外科手術も用いられるが、ナノマシンなどを使用した内部からの置き換えが主流とされる。
手術の程度は様々で、多くは日常生活に支障をきたさない程度であるが、機械のサポートなしには生きられないほどの大々的な改造も一部で実用化されている。

技術的にはクロームに一日の長があるとされ、ムラクモ・ミレニアムウェンズデイ機関の設立や大破壊以前の技術を研究するなどして遅れを挽回しようとしていた。

この時点ではまだ技術が不安定なようで、しばしば被験者の人格崩壊や発狂などを招いている他、プレイヤーの手術時にも「生きていれば、ですが」との台詞があり、危険性が窺える。
なお、ワイルドキャットは初代登場時は比較的正気を保っていた様子であるが、NXのレヴォリューションディスクでリメイクされた際には廃人同然になっていた。

PPに登場するファンタズマ計画も強化人間の一種と考えられるが、ファンタズマは人体と兵器の完全な融合を目指しており、二度と元の肉体に戻れないなど、強化人間よりもさらに極端な思想が見受けられる。

ちなみに初代では強化人間を指して「プラス(Plus)」という名称が用いられていたが、PP以降ではほぼ登場せず、あまり定着していない。

2シリーズ

初代同様、AC2にて50000Cの借金を負うことで強制的に手術を受ける。
基本的な点はほとんど変わらないが、名前の強制変更はなくなった。
AC2AAでも、AC2から強化済みのデータを引き継げば使用できる。

初代とは異なり、毎回の手術ごとに能力が追加されてゆく。
AC2ではLv4までが推奨。AAに引き継ぐのならばLv5にしても良い。

  • Lv1:レーダー機能の追加。
  • Lv2:ブレード光波の追加。
  • Lv3:冷却性能の倍増。
  • Lv4:キャノン発射制限の解除。初代と異なり、四脚でも空中発射が可能。2では仕様上この段階で止めるのが望ましい。
  • Lv5:ブースト消費エネルギーが半減。AAでは回復速度も向上し、アセンブル次第では無限飛行が可能になる。

強化手術時のムービーは初代が手術台と執刀医という現代的な雰囲気だったのに対し、AC2ではカプセルに収められた人間と繋がれたケーブル類、骨格や脳髄の画像、様々な波形やグラフ、機械から自動的に注入される薬品などが3D空間のデジタルイメージのように描写されている。
(ちなみにゲームディスク内に収められているムービーのファイル名は「PLUS」である)

この時代では技術が安定したの、初代のように強化人間の暴走や手術の失敗などが劇中で描かれることはなくなっている。
また、AC2に登場するレオス・クラインは実年齢90歳近いにもかかわらず、強化手術によって40歳前後の肉体年齢を保っている。

3シリーズ

強化手術は廃止されたが、“OP-INTENSIFY”というオプショナルパーツを装備することによって、強化人間とほぼ同様の能力を発揮することができる。
入手当時は何の効果も発揮しないが、装備状態で特定のAC・兵器を撃破することで一つずつ機能が追加されていく。
各機能と入手条件は以下。

  • ブレードレンジ1.5倍加:アリーナで「エグザイル」を倒す。
  • ブースト消費半減、ジェネレーター回復1.5倍化:アリーナで「エース」を倒す。
  • レーダー機能の付加:アリーナで「サンダーハウス」を倒す。
  • 各種センサー機能の付加:ミッション「封鎖区画侵入者排除」でAC「ブラッククロス」を倒す。
  • 射撃補正機能の強化:ミッション「中央研究所防衛」で実動部隊ACを撃破する。
  • 旋回性能の強化:ミッション「溶鉱炉破壊阻止」でAC「ストラスボルグ」を撃破する
  • ミサイル迎撃性能の強化:ミッション「水精製施設防衛」でAC「メガラオ」を撃破する
  • ブレード光波機能の付加:ミッション「大型兵器撃破」で敵大型MT「D-C101-D」を撃破する
  • 冷却性能の倍加:ミッション「機動兵器侵攻阻止」で敵機動兵器「D-C001-G」(親機、ミサイルを撃つ方)を撃破する。
  • キャノン発射制限解除:ミッション「機動兵器侵攻阻止」で敵機動兵器「D-C001-F」(子機、グレネードを撃つ方)を撃破する。

都合上、他のオプショナルパーツを一切付けられなくなり、通常のACよりも特に防御力やロックオン性能で劣ってしまう。
一方、オプショナルパーツの脱着だけで真人間と強化人間の切り替えができるため、旧作のようにセーブデータを分ける必要がなく、ユーザー間では利便性の点で好評である。

AC3SLではゲームバランス調整のためか、敵ACは当パーツと他のオプショナルパーツを併用している例が多い。

Nシリーズ

強化手術、オプショナルパーツともに廃止され、正規の手段ではプレイヤーは一切強化人間を使用できない。
ブレード光波のみ、標準で使用できるようになっている。

各機能は3シリーズとほぼ共通だが、新たに重量過多ペナルティの撤廃が追加された。
ただし機体総重量にはオーバーした重量もきっちり加算されるようになった。

またLRの「ラスジナ」のみ、以下の機能が追加されている。

  • ブースト速度1.3倍(100〜200km/hほど速くなる)
  • 旋回速度が1.5倍
  • 機体温度上昇量が1/3
  • ブースト消費量が1/3に激減し、エネルギー回復速度も3倍上昇

4シリーズ

強化人間は設定・ゲームともに登場しないが、キャノンの自由発射や(但し静止時にはタンクや四脚以外は構え姿勢を取るが、引き換えに射撃安定が一時的に上がる)無限飛行など、旧作の強化人間と比較して遜色ない機能が標準で実装されている。
リンクスAMSの設定も加味して、ユーザー間では「最初から強化人間」と表現されることがある。

Vシリーズ

強化人間はゲームシステム上は存在しないが、設定上は、身体や精神を機械化・電子化した「デザインド」、過去の名パイロットの洗脳クローン「カルティベイター」、その2つの合わせ技「ファンタズマ・ビーイング」といった強化人間に類するものが存在している。
ゲーム内では、ACVに登場するゾディアックのメンバーや、ACVD?に登場する死神部隊の隊員が、それに当たるようなことをほのめかされていたためにユーザー間で憶測を呼んでいたが、後に発売された資料集で明確にされた。
ただし、いずれもゲーム性能上はプレイヤーやその他の敵ACと特に変わる点はない。

AC6

ACの操縦に最適化されたパイロット。
同作のACはシステムの複雑化によって、通常の人間では性能を十分に引き出せなくなっているため、AC乗りの多くは強化手術を受けている。
複数の世代に分かれており、現行の最新世代は第10世代。

第1〜第6世代まではコーラルを使用した旧世代型としてカテゴライズされ、脳深部に「コーラル管理デバイス」を組み込んでいるが、コーラルに脳を焼かれ、幻聴に悩まされるといった副作用もあった。C4-621の属するのもこの第4世代であり、ACの操縦に不要な機能は全て切り捨てられている。
621よりも更に古い世代となる第1世代は、強化手術の成功確率が1割にも満たないなど信頼性の面で問題があり、スッラはその数少ない成功例の生き残りである。

第4世代以降も様々な技術改良が行われ、アイビスの火でコーラルが消失すると、代替技術を確立させた第7世代強化人間が生み出されたが、その過程で技術安定のために数多くの実験体が犠牲となった。
また、第8世代は旧世代の強化人間を過去のものとした“ニューエイジ”と評されており、第9世代はコーラルによる脳の焼き付きを中和する事が可能である事が示唆されている。

なお、AC6においてACパイロットが強化人間であることは必要条件ではない。
ただの人間であっても強化人間の駆る機体と同等かそれ以上の動きをすることは(当人の練度次第ではあるが)可能であり、その典型がV.Iフロイトである。


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Last-modified: 2023-11-26 (日) 21:17:56 (152d)