コア後部に接続され、機体に三次元方向への推進力を付与するパーツ。
ACには様々な種類のブースターが存在するが、単にブースターと言った場合には、通常のブーストダッシュやブーストジャンプで使用されるものを指す。
脚部等に固定装備されるサブブースターも存在するが、ゲームシステム上全く影響を及ぼすものではないため、単にブースターといった場合は、『パーツとして選択可能な物』を指すと思っていい。
このブーストダッシュやジャンプの存在が、ACが他の機動兵器、とりわけMTとは一線を画する戦闘能力を持つ理由とも言える。
従って、その存在価値は計り知れないものがある。
(ただし、MTの中でもカイノス/E02MT09-OWLなどのようにブースターを持ち、ACに近い機動性すら劇中で見せている機体も存在する)

基本的には先述の通り、ブーストダッシュやブーストジャンプで使用されるものだが、各パーツによってその性能が大きく異なる。
速度重視のものと滞空時間重視のものを比較した場合、前者の方がエネルギー消費が多くなる傾向にある。
また発熱概念がより深く掘り下げられたNシリーズでは、通常ブーストにも発熱値が設定されるようになったため、各パーツの個性化がさらに進んでいる。
特に後述のB05-GULLに代表されるようなクセのあるパーツも登場するようになった他、ジェネレーターの発熱値がダミーパラメータでなくなったため、エネルギー効率のみならず冷却性能やチューンなども含めた総合的な考慮が必要となった。
ちなみにLRで加速度の概念がさらに追加されているのだが、その他の性能と比較して注目されることが圧倒的に少ない。

通常、対人戦やアリーナでは速度が重視されるため推力の大きなものが重宝されるが、必ずしも常に最大出力のものが選択されるわけではない。
例えば、発熱地獄とも評されるNXでは、高い推力の割にエネルギー消費が少ないB05-GULLが、FUDOHとセットで運用されるケースが多く見られた。
GULLのネックである高発熱をFUDOHの発熱量の低さで相殺し、熱の問題に対応した代表例である。

また、探索系のミッションなど、その内容によっては滞空時間の長いパーツの方が有効である場合もあるため、状況に応じて使い分けることが重要となる。
この他、PSACシリーズではシステム上の限界速度に容易に到達できるがゆえに、B-T001などのバランス型のブースターが多用される。
SL両肩ブースターを使用する際は出力限界の存在ゆえに、推力17000程度のブースターと最も相性が良いなど、シリーズ毎に異なる細かな事情を理解した上での選択がベターである。

なお、タンク脚部フロート脚部に関しては、それ自体にブースターが内蔵されているため、コアに装備する必要が無い。
従って、脚部をこれらのパーツに交換した場合は自動的にブースターも取り外される。
(はずだが、何故かACPPのアリーナに登場するタンク型ACだけはどれも初期ブースタを付けたままだったりする)

4シリーズにおけるブースター

4シリーズにおけるネクスト用のブースターは「メイン(コア後部)・サイド(両肩部)・バック(左右腰部)・オーバード(コア後部)」の四種に細分化されている。
メインブースターは前進と上昇に、サイドブースターは左右方向に、バックブースターは後退に、オーバードブースターはOBの性能にそれぞれ関係する。

個別に選択が可能であるのは勿論、水平(前後左右)と垂直(上昇)の推力・消費が個別に設定されるようになった他、OB以外にはクイックブーストに関する性能も追加されている。
このため、上昇性能に特化したメインブースタや、通常ブースト性能は平凡であるものの強力なQBを持つパーツ、またその逆など、様々なパーツが生まれることとなった。
同様にOBも出力、エネルギー消費、KP消費、機体負荷などの面から多様化が進んでいる。

結果としてネクストは従来ACのように全方向に同一速度で移動することはできなくなっているが、アセンブルの段階から機体の挙動特性を細かく特徴付けることが可能である。
なお、OBを除くネクストのブースターはノーマルが運用するブースターと技術的な相違は小さく、延長線上の存在のようである。
特に現状ではQBがネクスト独占の技術となっているのは、エネルギー供給と制御精度の問題からとされている。
(ただし、ARMORED CORE RetributionにてQBも多少のコジマ粒子を放出する旨の記述がある)

Vシリーズにおけるブースター

Vシリーズにおいてブースターは再び統合され、単一のブースターで複数の機能を持つようになった。
旧作のオーバードブーストに相当するグライドブースト、クイックブーストに相当するハイブーストもブースターの一機能として内包されている。

これまで基本的にコアの背面にブースターが2基配置されていたが、本作では背面の他に前面にも2ヵ所設置され、計4基配置される様になった。
この4基の噴射角の調整で推力のベクトルが変わるため、4シリーズの様な特定方向専用のブースターも不要となっている。
CE防御型コアや一部のKE・TE防御型コアは前面のブースターが無く背面の2基のみであるが、特に移動性能に差は無い。
タンクを選択した場合にコアのブースターが取り外されるのは変わらないが、その場合でもタンクそのものに4基のブースターが装備される。ちなみに、ACVは旧シリーズと比較してブースターの消費ENが激増していることから、それを装備する必要のないタンクは余剰ENに余裕があり、TE属性の火器を扱いやすくなっている。

また、本作において“ブースターの推力比は1を超えない”という設定があり、ジャンプ後のブーストでは機体が少しずつ降下してしまい、これまで伝統だった垂直上昇が不可能となっている。
この点は新機能であるブーストドライブによってある程度補うことができるが、タンクは“蹴る脚”を持たないため、これを行うことができない。
例外的にタンクはジャンプ時にブースターの推力で垂直上昇ができるが、あくまで瞬間的(ハイブーストの応用か)にであり、その後は他機種と同様に降下していってしまう。

AC6におけるブースター

AC6のブースターは地上移動時の通常推力、上昇推力、アサルトブースト推力、クイックブースト推力、近接攻撃推力と消費ENが別々に設定されており、そこから機体重量による速度の差引が加わる。
有り体に言えば軽量機体であれば速くなり、重量機体だと遅くなるのだが、機体の総重量と速度は完全に正比例しているわけではない。
具体的には、総重量75000〜80000の範囲では特に速度が低下しやすい一方、62000〜75000の範囲では速度低下が緩やかであり、62000以下ではさらに速度の低下が抑えられる。

また、今作ではブレードなどの近接武器を使用した際の追尾速度にも影響するため、近接戦を重視する場合はこの点も考慮すると有効。

ちなみに、デザイン面での特徴として、四脚を装備した場合にはコアではなく脚部に取り付けられる。


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Last-modified: 2024-09-23 (月) 20:57:35 (74d)